コロナ禍を経ているのでZoomやGoogle Meetは習熟度が高い
大学生の4割はコピペのショートカットキーを知らない
パソコンは持っているが半数はタッチタイピングが不得意
今どき大学生のITリテラシーはどうなっているのか。MENTERの「大学生のITリテラシー実態調査」(2023年10月)を見てみよう。
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パソコンの保有状況について聞いたところ、「自分専用のノートPCを持っている」(83.0%)が最多、次いで「自分専用のデスクトップPCを持っている」が12.7%だった。大学の講義で必要とすることも多く、いずれも持っていない学生は5.8%に留まっている。
パソコン操作の基本スキルであるブラインドタッチ(タッチタイピング)について聞いたところ、「できる」(17.7%)、「まあまあできる」(36.2%)となり、半数近くがある程度習熟している結果に。その一方で「全くできない」(12.7%)も1割程度いた。
マウスも、「よく使っている」(31.0%)、「たまに使っている」(32.2%)と約6割に留まり、「ほとんど使ったことがない」(29.9%)、「使ったことがない」(6.9%)などとなっている。
大学で利用経験があるものは習熟度高め
Word、Excel、PowerPointなどについては、「できる」(13.1%)、「まあまあできる」(48.7%)と約6割が「できる」と回答。一方で「あまりできない」(34.3%)、「できない」(3.9%)といった自信のない人も。
ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議システムについては、「できる」(19.1%)、「まあまあできる」(51.4%)と7割近くができると回答し、今回の調査の中で最も習熟度が高かった。おそらくZoomなどでオンライン講義を受けた経験が多いためだろう。筆者もコロナ禍以降、多用している。
SlackやTeamsなどのチャットツールは、「できる」(14.3%)、「まあまあできる」(32.0%)に留まっており、ほかのITリテラシー・スキルに比べて習熟度が低くなっている。
全体に、大学の講義などで利用経験があるものは習熟度が高く、あまり触れないものは低いようだ。
コピペのショートカットキーを4割は知らない
パソコン上のフォルダーやその階層構造を理解しているか聞いたところ、「よく理解している」(13.5%)、「まあまあ理解している」(38.7%)と約半数が理解していたが、「理解してない」(34.9%)学生も多かった。
複数のショートカットキーを提示した上で知っているものを選んでもらったところ、「Ctrl+C→選択した項目をコピー」(62.6%)、「Ctrl+V→選択した項目を貼り付け」(59.2%)というコピペで利用するショートカットキーが人気に。一方、それぞれ4割が知らなかった。また、そのほかのショートカット事例もいずれも知らないという学生が2割いた。
大学生はスマホネイティブ世代であり、パソコンに関しては必ずしも使いこなせるわけではない。たとえパソコンを持っていても利用経験が多いわけではなく、得意でなかったり、知らなかったりすることも多いのだ。
一方、大学の講義内などで利用しているものは得意とする割合が高くなる。社会に出たら必要となる知識やスキルばかりなので、機会を見つけて積極的に学ぶと良いのではないだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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