印南敦史の「ベストセラーを読む」
第14回
『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』(ぱやぱやくん 著、KADOKAWA)
防衛大学校という“ジャングル”の日常は、吹き出しそうになるほどおもしろい
防大の学生は8パターンの個性に分けられる
防大は「将来の幹部自衛官になる者」を育成する機関だが、先述のとおり学費・衣食住が無料で、給与手当ももらえるため、自衛隊にまったく興味がない人たちも大勢やってくることになる。そのため学生の個性もさまざまで、著者はそれを8パターンに分けている。
1:英雄タイプ
意欲が高く、学力優秀・運動神経抜群で人柄もよく、カリスマ性があるタイプ。防大性にはこういった学生が学年で1人くらいはいるようだ。「あいつには偉くなってほしい」と誰しもが思い、実際、卒業後も戦闘機のパイロットや空挺団などのエリート部隊で活躍することが多いそうだ。
2:あふれる愛国心タイプ
高校時代から国防への意識が高く、「日本の国防は俺に任せろ!」と鼻息荒く防大の門を叩くのがこのタイプ。勉強熱心で真面目であり、防衛学などの講義ではマニアックな知識を駆使してレポートを仕上げてくるという。だがオタク気質であるため、理屈っぽく不器用だという側面も。
3:航空機のパイロット志望
卒業後にパイロットの道に進むことも不可能ではないため、広報官は「パイロットになれるよ! トップガンになろうよ!」とキラーフレーズを連呼し、パイロットを夢見る高校生をその気にさせるらしい。ただし、現実的にパイロットになれる人はひと握り。
4:地方の進学校出身者
防大受験は公務員試験扱いであるため、受験費用は無料。受験時期も秋ごろと早いので、地方の進学校では模試感覚で生徒に受けさせるという。そのため筆記のあとの2次試験では、「興味がないので行きません」と辞退者が続出するはめに。
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