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プーチン大統領、ロシア独自AI開発に言及 西側の独占に懸念

2023年11月28日 12時15分更新

AIと機械学習に関する国際会議「Artificial Intelligence Journey 2023」の本会議に出席するプーチン大統領(2023年11月24日撮影)

 ロシアのプーチン大統領は11月24日(現地時間)、モスクワで開催されたAIカンファレンス「Artificial Intelligence Journey 2023」において、欧米企業の技術力に対抗するため、ロシア国内のAI能力を積極的に発展させる計画を発表した。

英語に偏る西側のAIモデルが「ロシアの文化を消し去る」と警告

 プーチン大統領は主要な西側のAIモデル、特にOpenAIのChatGPTのトレーニングに使われているデータセットは英語に偏っており「ロシア文化を消し去る」可能性があると警告。

 このような西側の創造物のロシアにおける独占的な支配は「受け入れがたく、危険で、許されない」とし、新しい国家戦略では技術的な独立を達成するために、生成AIと大規模言語モデルの分野における基礎研究と応用研究の拡大、スーパーコンピューティングインフラへの投資を優先させることを発表した​。

 プーチン大統領は「私たちの国産AIモデルは、世界文化の豊かさと多様性、全ての文明の遺産、知識、そして知恵を反映すべきだ」と述べ、ロシアがAI技術分野に影響力を及ぼすことを目指している。

 さらに、ロシアのAIに関する科学教育の向上を目指し、法律の変更、国際協力の促進、AI開発のためのさらなる投資が必要であるとも述べた。2021年の10月には、ロシア国内の主要な大学6校をAIセンターとして指定し、最大10億ルーブル(およそ11億米ドル)の連邦補助金を与えることも決定されている。

 とは言えロシアの技術業界は、ウクライナでの軍事作戦によって大きな影響を受けている。

 多数のIT労働者が軍事動員を避けるために国外へ逃れ、西側の制裁によりコンピュータパーツへのアクセスも遮断されている状態。その結果、西洋諸国および中国のテックジャイアントやスタートアップと比較して、深刻なデータと人材のギャップに直面しているのが現実だ。

 ロシアが世界のAI技術のレースに参加しようとしているのは明らかだが、その道は必ずしも明るくはない。

訂正とお詫び:初出時、一部表記に誤りがございましたので、訂正いたしました。(2023年12月1日)

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