近年、再開発が進む富士スピードウェイ。その目玉施設のひとつが、ウェルカムセンターです。その施設をモデル兼タレントの新 唯(あらた・ゆい)さんと歩いてみましょう。
◆家族で楽しめる富士スピードウェイに!
2022年4月に発表された「富士モータースポーツフォレスト」プロジェクトは、富士スピードウェイを中心に、レストランや温浴施設など“子供から大人まで”モータースポーツ文化が楽しめる施設を設置して「未来のモビリティ・モータースポーツの街」を創出していこうというもの。ウェルカムセンターは、その文化の入り口を担う施設として5月26日、富士スピードウェイ西ゲート近くにオープンしました。
ウェルカムセンターの資料に「大人から子供まで幅広いお客様に、無料で気軽に楽しんでいただけるコンテンツをご用意しています」とあるように、この施設では様々な車両の展示のほか、隣接するルーキーレーシングガレージの見学、さらに飲食スペースなどを“無料”で楽しむことができます。
営業時間は基本的に富士スピードウェイに準じていますが、イベントや臨時閉館、入場制限などがある場合もありますので、来場する前に念のため確認されることをオススメします。また展示内容は変わることがありますので、あらかじめご了承ください。
エントランスに入ると、3台の車両とニュルブルクリンク北コースのような路面がお出迎え。最初に見つけたのは、2019年にタイで開催された「Super Endurance 600min」レースに参戦した「86」。ROOKIE Racingとしては初優勝を飾ったマシンであり、後にトヨタとタイが水素社会実現に向け、手を取り合うきっかけを作ったクルマです。
その奥には2007年にニュルブルクリンク24時間レースに、ROOKIE Racingの豊田章男オーナーが初めて「モリゾウ選手」として参戦したアルテッツァが展示されていました。今のTOYOTA GAZOO Racing活動の礎を築いたクルマとして知られています。
左手には、2019年のスーパー耐久に参戦した86の事故車両を展示。この車両がクラッシュして大破したことが、翌年に発売前のGRヤリスをスーパー耐久に投入するきっかけになったそうです。
緩やかな階段を上がると、東京オートサロン2023で展示されていた水素エンジンを搭載したトレノと電動化されたレビンという、2台のAE86が展示。これらのクルマが活躍するコミックのような展示がとても楽しいですよ。
その近くには、両手を広げたトヨタ自動車の豊田章男会長と佐藤恒治社長のパネルを設置。顔はめパネルや会見での発言を吹き出しにしたボードも用意されて、記念撮影スポットになっていました。
定期的にワークショップも開催されているようで、取材時には学研とコラボした水素社会の体験企画が行なわれていました。水素エンジンを搭載したカローラ・クロスの隣で、電気の力で水素を作り、そのエネルギーでロケットを打ち上げる実験は子供だけでなく大人も楽しめるもの。的に入るまで、何度も挑戦する大人げないオトナの姿も……。
建物は吹き抜けで気持ちのよい空間。渡り廊下を進んで、隣の建屋「ROOKIE Racing」のガレージに行ってみましょう。
こちらも吹き抜け構造。眼下にはレーシングマシンが展示され、タイミングがあえば実際にメカニックが作業をする姿を見られるのだそうです。
反対側の壁には、ROOKIE Racingのオーナーである豊田章男氏がモータースポーツにこだわる理由や、ROOKIE Racing誕生の経緯などの展示があり、熱い想いを感じ取ることができます。
さらに進むと、SFマシンの展示が。メカニックたちはこの場所でタイヤ交換などの練習をするそうで、反対側にはメカニックのお仕事紹介も。ちょっとした社会科見学気分です。
施設内には食堂も用意され、メカニックたちもここで昼食をとられるのだそう。メカさんたちと“同じ釜の飯を食う”ことができるのもうれしいですね。
屋上が解放されていて、ダンロップコーナーからパナソニックコーナー付近を上から見ることもできます。その反対側には綺麗な富士山。記念撮影にピッタリです!
レース観戦の前はもちろん、観戦の合間にウェルカムセンターに立ち寄られてはいかがでしょう。場内を循環するシャトルバスも用意されているので、広いサーキット内でもラクに訪れることができます。
富士スピードウェイのウェルカムセンターというより、ROOKIE Racingのウェルカムセンターという側面が垣間見えてしまうとは思いつつも、走るだけではないモータースポーツの一面を覗けるという点では魅力的な施設。御殿場、そして小山町に楽しい施設ができたことを心から喜びたいと思います。
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