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Zen 4の128スレッドはどこまで強い?Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証詳報

2023年11月24日 10時30分更新

RAW現像では7980Xが意外に強い

 動画系以外のクリエイティブ系として「Lightroom Classic」を試してみよう。100枚の調整付きDNGファイル(61メガピクセル)を最高画質のJPEGに書き出す時間を計測する。書き出し時にシャープネス処理(スクリーン用、適用量標準)も追加している。

Lightroom Classic:DNG→JPEG書き出し時間

Threadripper 7980X+Lightroom Classic環境でのCPU負荷の状況

Threadripper 7980X+Lightroom Classic環境でのGPU負荷の状況。処理中にGPUコアを使っているのはもちろんだが、VRAMの使用状況(処理中は24GB中の最大80%程度を消費)にも注目

 現行メインストリーム(Ryzen 9 7950X/Core i9-14900K)が最速かと考えていたが、Threadripper 7980Xが異次元の強さを発揮。CPUの利用状況はプロセッサーグループの壁に阻まれているように見えるため、理屈上はコア数半分のThreadripper 7970Xと大差ないと予想できるのだが、実際の処理性能ではコア数の多い7980Xの方がずっと高速。

 Ryzen 9 7950Xのパフォーマンスを考えると、Threadripper 7970Xは何らかの理由でパフォーマンスが出にくくなっていると思われるが、他のベンチマークでは普通にコア数なりの性能が出ている。これを解明するだけの時間はなかったので、検証は後進に譲りたい。

プロフェッショナル向けグラフィックではメインストリームに迫る性能

 続いてはグラフィック性能だが、ゲームの前にプロフェッショナル向けグラフィックのパフォーマンスを「SpecViewPerf 2020」を用いて検証しておきたい。ディスプレー解像度は3840×2160ドット、GUIスケーリングは100%設定にして検証した。

SpecViewPerf 2020:3dsmax-07およびcreo-03のフレームレート。グラフを見やすくするために、結果の近いテストでグラフをまとめた

SpecViewPerf 2020:catia-06/ energy-03/ medical-03/ snx-04のフレームレート

SpecViewPerf 2020:maya-06およびsolidworks-07のフレームレート

 Threadripper 7980Xは旧世代のThreadripperを大幅に超える(creo-03)こともあるが、全体傾向としては大差ない結果(medical-03など)にとどまる。メインストリームCPUに比肩あるいは上回る性能を出しているテスト(catia-06/maya-06)もあるが、特に今回の検証ではRyzen 9 7950Xを大幅に超えるものはなかった。

 ここまでの情報だと費用対効果的にThreadripper 7000シリーズは最悪だが、ECC付きメモリーが使えるため、システムの安定性において普通のRyzenやCoreプロセッサーよりも1段安心度が高い点は強調しておきたい。

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