11月22日に、アーキテクチャーをZen 4に更新し、PCI Express Gen5やDDR5(ECC必須だが)メモリーに対応したAMD「Ryzen Threadripper 7000シリーズ(以降Ryzenは省略)」が発売された。
今回はAMDよりお借りしたレビューキットの受領がかなり遅くなったため、速報記事ではThreadripper 7000シリーズの概要と、「CINEBENCH 2024」の結果のみをお伝えした。後編となる本稿では、もっと広範なベンチマークでの検証を試みる。
検証環境やセットアップについては速報と共通である。Resizable BARやSecure Boot、メモリ整合性、HDRといった設定は全て有効化している。また、GPUドライバーはStudio Driver 546.01を使用した。
【検証環境:新Threadripper】 | |
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CPU | AMD「Ryzen Threadripper 7980X」 (64コア/128スレッド、最大5.1GHz)、 AMD「Ryzen Threadripper 7970X」 (32コア/64スレッド、最大5.3GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN II 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「Pro WS TRX50-SAGE WiFi」 (AMD TRX50、SSI-CEB、BIOS 0217) |
メモリー | G.Skill「F5-6400R3239G32GQ4-ZR5NK」 (32GB×4、Registered DDR5-5200動作) |
ストレージ | Micron「CT2000T700SSD3」 (2TB M.2 SSD、PCIe 5.0) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 4090 Founders Edition」 |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (1000W、80 PLUS PLATINUM) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2) |
【検証環境:旧Threadripper】 | |
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CPU | AMD「Ryzen Threadripper 3990X」 (64コア/128スレッド、最大4.3GHz)、 AMD「Ryzen Threadripper 3970X」 (32コア/64スレッド、最大4.5GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN II 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG Zenith II Extreme」 (AMD TRX40、E-ATX、BIOS 1802) |
メモリー | Corsair「CMN32GX4MN2Z3600C16」 (16GB×4、DDR4-3200) |
ストレージ | Micron「CT2000P5PSSD8JP」 (2TB M.2 SSD、PCIe 4.0) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 4090 Founders Edition」 |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (1000W、80 PLUS PLATINUM) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2) |
【検証環境:Ryzen】 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 7950X」 (16コア/32スレッド、最大5.7GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN II 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG STRIX X670E-F GAMING WIFI」 (AMD X670E、ATX、BIOS 1709) |
メモリー | Micron「CP2K16G56C46U5」 (16GB×2、DDR5-5200) |
ストレージ | Micron「CT2000T700SSD3」 (2TB M.2 SSD、PCIe 5.0) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 4090 Founders Edition」 |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (1000W、80 PLUS PLATINUM) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2) |
【検証環境:インテル】 | |
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CPU | インテル「Core i9-14900K」 (24コア/32スレッド、最大6GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN II 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG MAXIMUS Z790 HERO」 (インテルZ790、ATX、BIOS 1501) |
メモリー | Micron「CP2K16G56C46U5」 (16GB×2、DDR5-5200) |
ストレージ | Micron「CT2000T700SSD3」 (2TB M.2 SSD、PCIe 5.0) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 4090 Founders Edition」 |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (1000W、80 PLUS PLATINUM) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2) |
CGレンダリング系では圧倒的な強みを発揮
まずはThreadripperのパワーを最も使いきりやすいCGレンダリング系のベンチマークから見ていこう。まずは「Blender Benchmark」で試す。バージョンは先日出たばかりの“4.0.0”を指定した。
Blenderは1プロセスあたり64論理コアまでというプロセッサーグループの壁を越えてくれるため、コア数が多いほどスコアーも高くなる。速報で紹介したCINEBENCH 2024のスコアー傾向と似ているのは当然だが、Threadripper 7980Xの凄さがより際立っている。
Zen 4のThreadripper 7970XがZen 2かつコア数2倍の3990Xに勝ったり負けたりしている点は、Zen 2とZen 4のパフォーマンスギャップの大きさを再確認できるだろう。
また、Ryzen 9 7950X対Threadripper 7970X、また7970X対7980Xのようにコア数が倍のペアで見ていくと、2倍に届きそうで届かない塩梅になっている。この点は上位モデルほどTDP制限でコア数が増えるほど不利になる、という多コアCPUの宿命が可視化されたようなものだ。
CGレンダリングの他にマルチスレッド性能が必要とされる用途として、物理シミュレーションがある。そこで「Houdini Apprentice」に実装されているダイナミクスシミュレーション(Rigid Body SolverおよびFLIP Fluid)を利用して、“銃弾に当たって砕けるワイングラスとワイン”のシーンを作成。全体の尺は50フレームに設定し、フレーム1からフレーム50へ飛んだ時のシミュレーションに要した時間を計測した。
これもプロセッサーグループの壁を越えてくるが、負荷が刻々と変化しながらCPUの全コアに負荷がかかる処理が続く。最速は勿論Threadripper 7980Xだが、その1つ下の7970Xとの差はわずか15秒。Zen 2世代のThreadripper 3990Xと比較すると2分以上短縮しているが、Blenderほどの劇的な差はない。Ryzen 9 7950XもThreadripper 3990Xより速いのは驚きだが、少しでも試行錯誤の時間を短くしたいという人はThreadripper 7980Xの方が良い選択だ。
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