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Adobeの生成AIは「プロの仕事の5割を減らす」ただしやりたくない繰り返しの作業を

2019年の同イベント以来、4年ぶりの来日となったスコット・ベルスキー氏

CSO ベルスキー氏も来日し4年ぶりの大規模リアル開催

 アドビは11月16日、東京ビックサイト南棟でクリエイター向けイベント「Adobe MAX Japan 2023」を開催した。大規模会場でのリアル開催は、2019年以来4年ぶりとなる。アドビ常務執行役員兼CMOの里村明洋氏によれば、基調講演の来場者数は約3600人。来日したデザインおよび新興製品担当 エグゼクティブバイスプレジデント兼CSO(最高戦略責任者)のスコット・ベルスキー氏がホストとして登壇し、生成AI「Adobe Firefly」を中心に、Creative Cloud製品の最新アップデートを紹介した。

 「Adobe Firefly」は2023年3月に発表され、アドビが提供するウェブサイトで利用できるほか、すでにPhotoshop、Illustrator、Adobe Expressといった製品に機能として組み込まれている。学習データには「Adobe Stock」の許諾済みデータが用いられていているため、商用利用しやすいのが特徴。アドビではフェイク対策のため、「コンテンツ認証イニシアチブ(CAI:Content Authenticity Initiative)」で、コンテンツの来歴を記録する取り組みをしているが、Fireflyはそのコンテンツ認証にも対応している。

 ベルスキー氏はFireflyのこうした特徴を改めて紹介するとともに、10月に発表された3つのAIモデル、画像生成AIの「Adobe Firefly Image 2 Model」、ベクター画像を生成できる「Adobe Firefly Vector Model」、デザインテンプレートを生成できる「Adobe Firefly Design Model」に言及。それぞれを機能として組み込んだ、製品のデモンストレーションも実施した。

10月に発表した3つのAIモデルの
デモンストレーションを実施

 トップバッターは「Adobe Photoshop」。Creative Cloudエバンジェリストの仲尾 毅氏が、「生成塗りつぶし」機能を用いた画像の合成方法を詳しく紹介した。続く「Adobe Illustrator」では、マーケティングマネージャーの岩本 崇氏が、「テキストからベクター生成(Beta)」機能を用いて、ベクター画像を生成。「生成Match」でテンプレートにあわせたスタイルに変更する方法や、生成したベクター画像をコーヒーカップ、トラックといった立体物の写真に、簡単に配置できる「モックアップ(Beta)」をデモした。また「生成再配色」でデザインの配色を簡単に変える方法や、画像やアウトライン化されたテキストから近いフォントを探し、編集できる機能も紹介された。

Adobe Photoshopの「生成塗りつぶし」を用いて背景に生成したキツネと蝶を合成

Adobe Illustratorでは「生成再配色」でカラーイメージを簡単に変更できる

 「Adobe Premiere Pro」は、マーケティング部マーケティングマネージャーの田中 玲子氏が担当。自動文字起こしされたテキストを編集することで、動画そのものを編集できる「文字起こしベースの編集」で、言いよどみや空白を検索して一斉削除できる機能などの最新アップデートを紹介した。

Adobe Premiere Proでは「あー」「うー」といった声を自動検出し、映像をつまむことが可能

 「Adobe Express」のデモでは、キャラクターデザイナー/イラストレーターの北沢直樹氏が登壇。マーケティングスペシャリストの有川 慧氏とともに、Creative CloudとAdobe Expressを行き来してのコンテンツ制作や、チームへの共有、様々なプラットフォームに展開する方法などを解説した。またFirefly Design Modelを用いた、「テキストからテンプレート生成(Beta)」も披露された。

Adobe Expressでは保存したアセットや生成AIを使って、手軽に制作、共有ができる

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