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GitHub、GPT-4でコードを提案・説明してくれるチャットAI 一般提供開始へ

2023年11月09日 13時30分更新

 GitHubは11月8日、「GitHub Copilot Chat」の組織および個人向け一般提供を、既存のGitHub Copilotサブスクリプションの一部として、2023年12月より開始することを発表。

 あわせて、GitHub Copilot Enterpriseの新サービス、AIを活用した新しいセキュリティ機能、GitHub Copilotパートナープログラムのプレビューを発表した。

GPT-4がCopilot Chatを大幅強化

コードの一部を選択し「Explain(説明)」を選択

その部分についての説明が表示される

 Copilot ChatはOpenAIの最新大規模言語モデル「GPT-4」を使用し、従来より正確なコードの提案と説明を提供する。

 コードを文脈として解釈しているので、複雑な概念の説明、開いているファイルやウィンドウに基づくコードの提案、セキュリティ脆弱性の検出、コード、ターミナル、デバッガでのエラーの検出と修正といった支援ができるという。

 また、スラッシュコマンドとコンテキスト変数が導入されているため、たとえばコードの修正や改良は「/fix」と、テストの生成は「/tests」と入力するだけで簡単に実行できる。

 さらに、クリックするだけで「プルリクエスト」といったショートカットを提供する「スマートアクション」も用意されている。

 なお、GitHub Copilot Chatはgithub.comに直接統合されており、開発者はGitHub内のどこでもCopilot Chatを利用できるほか、高度なコード検索機能と組み合わせて、人気のあるオープンソースプロジェクトの最新の変更などを理解し、支援できるようになっている。

 既存のGitHub Copilotサブスクリプションの一部として、モバイルアプリのサポート、そしてJetBrainsのIDEスイートに対応することもあわせて発表された。

 GitHubはこの一連の統合について「コードエディターのCopilot、CLIのCopilot、そしてgithub.comとモバイルアプリのCopilot Chatによって、Copilotをソフトウェア開発のライフサイクル全体を通じてユビキタスなものにし、GitHubのすべてのサーフェス領域で常に利用できるようにする」としている。

組織にあわせてカスタマイズ可能な「GitHub Copilot Enterprise」

 同日発表した法人向けの「GitHub Copilot Enterprise」は、Copilotのすべての機能を統合したもの。コードベース全体のコンテキストを個々の開発者のニーズに合わせてパーソナライズすることで、開発者チームがコードベースを素早く把握し、ドキュメントを探索し、ビルドする手助けをする。また、内部コードや非公開コードに基づいた提案を得ることで、プルリクエストの迅速なレビューも可能になる。

 さらに、プルリクエストのサマリーを生成する機能などのスマートアクションがGitHub全体で利用できるようになるため、ボタンをクリックするだけで開発者がフロー状態を維持できるようになるという。

 これらはすべてエンタープライズ・グレードのセキュリティ、安全性、プライバシーを備えており、2024年2月より1ユーザーあたり39米ドル(およそ5890円)/月で一般提供を開始する予定だ。

「GitHub Copilotパートナープログラム」でサードパーティプラグインを利用

「LaunchDarkly」のツールを呼び出しているところ

 GitHub Copilotをサードパーティの開発者ツールやオンラインサービス、GitHub以外のナレッジと統合することで、GitHub Copilotをさらに強化する「GitHub Copilotパートナープログラム」も発表された。

 第一段階では「Datastax」「LaunchDarkly」「Postman」「Hashicorp」「Datadog」を含む25以上のパートナーが参加するという。

AIを活用した新しいセキュリティ機能「GitHub Advanced Security」

 セキュリティ機能として、GitHub CopilotはLLMベースの脆弱性防止システムを適用。SQLインジェクション、パスインジェクションといった安全でないコーディングパターンをリアルタイムでブロックすることで、GitHub Copilotの提案をより安全なものにしている。

 またGitHub Copilot Chatは、IDE内のセキュリティ脆弱性の特定、自然言語機能による脆弱性の仕組みの説明、ハイライトされたコードの具体的な修正の提案も支援する。

 さらに、JavaScript と TypeScript の CodeQL を使って AI が生成した修正をプルリクエストに直接提案し、開発者が問題をより早く解決できるように支援するコードスキャン自動修正機能も用意されている。

 これらの機能はプレビュー版として現在利用可能になっており、その後「GitHub Advanced Security」のサブスクリプションに含まれるようになる。

「GitHub Copilot Workspace」はプロジェクト全体を管理する

提案されたプランに従って環境が準備される

 2024年提供開始予定の「GitHub Copilot Workspace」は、与えられた課題に対し、Copilotがそれを実装するためのプランを自動的に提案する機能だ。

 プランはもちろん編集可能であり、検証するためにCopilot Workspace内でコードをビルド、実行、テスト可能、エラーが発生した場合は自動的に修正されるようになる。

 この体験は「プロジェクトの隅々まで知っているパートナーとのペアプログラミング・セッションのようなもので、あなたのリードに従って、AIの力で課題からプル・リクエストまでリポジトリ全体の変更をすることができる」とされている。

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