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OpenAI発表まとめ カスタ厶版「ChatGPT」作成機能、128Kの長文入力に対応した「GPT-4 Turbo」など盛りだくさん

2023年11月07日 12時15分更新

 OpenAIは11月6日(現地時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコで初の対面による開発者会議「OpenAI DevDay」を開催。冒頭のサム・アルトマンCEOによる基調講演では多くのプロダクトが発表された。その内容をダイジェストでお伝えしよう。

長文入力に対応した「GPT-4 Turbo」

 目玉は「GPT-4」に続く最新の大規模言語モデル「GPT-4 Turbo」

 同モデルは従来のものよりあらゆる面で高性能なのはもちろん、2023年4月までの世界情勢を把握しているため最新の情報に関する質問にも回答可能になっている。

 また、従来の16倍となる128Kの入力ウィンドウを持つため、1つのプロンプトに300ページ以上のテキストを入力することができる。

 さらに、複数の関数を呼び出す機能の向上、回答をJSONフォーマットで出力する「JSON mode」「シード値」の導入による回答の再現性の向上など、様々な改善がなされている。

 GPT-4 TurboはAPIで「gpt-4-1106-preview」を指定することで、すべての有料開発者が試すことができる状態になっている。

 また、利用単価も値下げされた。GPT-4と比較して入力トークンで3倍、出力トークンで2倍安くなっている。

 さらに、デフォルトで16Kコンテキストウィンドウをサポートする「GPT-3.5 Turbo 16K」もリニューアルされ、JSONモードや並列関数呼び出しをサポートしている。

 価格も見直されており、「GPT-4 Turbo」同様に入力は3倍、出力は2倍、以前のモデルより安くなっている。

マルチモーダルAPIも提供開始

 GPT-4 Turboと同時に、画像入力を可能にする「GPT-4 Turbo with vision」、テキストから画像を生成する「DALL·E 3」、6つのプリセット音声を使ってテキストを読み上げる「Text-to-speech (TTS)」も開発者用にAPIとして提供がはじまった。

カスタム版ChatGPTが作れる「GPTs」

 「GPTs」は、ChatGPTユーザーが、異なる役割や目的に対応するAIアシスタントのカスタムバージョンを作成できる新機能。

 自然言語を使って作成できるのでコーディング知識は不要。指示と追加知識を与え、ウェブ検索、画像作成、データ分析など、できることを選ぶだけだ。

 上記のデモでは、子犬に関する知識に特化した「Puppy Hotline」というカスタムGPTを利用しているところが確認できる。

 ChatGPT Plusおよびエンタープライズユーザーは、この機能を使って作成された「Canva」「Zapier AI Actions」を含むカスタムGPTを利用できる。(筆者環境では未確認)

 さらに、11月末には検証済みの開発者による作品(カスタムGPT)を集めたGPTストアがオープンする。ストアには自作のカスタムGPTを登録(審査あり)し、収益を得ることも可能になるという。

開発者向けの「Assistants API」

 開発者向けにもオリジナルのAIアシスタントを開発するための「Assistants API」がリリースされた。

 このAPIを使えば、いつものようにテキストで指示をあたえるだけで、コードインタープリターや検索、関数呼び出しなどの機能を使って、エージェントアプリのような複雑なタスクを実行できるだけではなく、APIが会話の内容を保持することで、持続的で無限に長い会話を続けることも可能になるという。

 デモでは、行き先を入力するだけで様々な処理を実行可能な旅行計画アプリなどが紹介されていた。

 さらに、来場者全員に「500ドルのOpenAIクレジット」を渡すアプリをその場で作成し、会場を大きく湧かせていた。

OpenAIが補償する「著作権シールド」導入

 なおOpenAIは、すでにマイクロソフトやグーグルが発表しているのと同様、著作権侵害に関する法的な請求に対しユーザーを守り、発生した費用を支払う「著作権シールド」の導入も発表している。

マイクロソフトとの連携も継続

 新たな発表はなかったが、イベントにはマイクロソフトのサティア・ナデラCEOも登壇。今後も連携を強化していく方針であることを強調していた。

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