荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ”

第841回

アクリルボウルとボールで戯れる猫は面白い！ その一部始終を上から下から撮り続けた

透明なボウルの中にあるボールを捕まえるべく奮闘する2匹のキジトラ子猫（名前は覚えられない）。2023年10月 アップル iPhone 15 Pro Max

　透明の猫用アクリルボウルって、ちょっと憧れる。猫が半球のドームにきれいに丸まって寝てたりすると実にいい。「猫は液体である」という名言もうなずけるというもので、その様子を見るために透明な半球をキャットタワーに据え付けようと発想した人は素晴らしいのである。手足がどう絡み合ってるか、ややこしくてたまらない。

球体に沿って、体が丸くなって手足がややこしいことになってる猫はたまらないのである。これを開発した人はエラい。2023年9月 ソニー α7C II

　で、先日、誰もアクリルボウルにいなかったので、じゃあ子猫をアクリルボウルに誘導しよう、とボウルの中にボールを投げ込んだのである。ボウルの中で遊ぶ子猫の姿を見たいと思ったのだ。

　そしたら何が起きたか。冒頭写真を見るとわかる。これは想定外で、思わずポケットに入れていた「iPhone 15 Pro Max」を撮り出したのだった。

　面白かったですよ。なにしろ、交互に手を出すのである。「オレが先に見つけたんだ。おまえじゃだめなんだよ、次はオレだーっ」てな感じで。

アクリルボウルの中のおもちゃに向かって交互に手を出す2匹。手がボールに届かないので困ってる。2023年10月 アップル iPhone 15 Pro Max

　でも、猫は賢いのであった（片方だけ）。10数秒ほどアクリル越しにアプローチしたのち、右側の猫が気づいたのだ。もしかして、上からなら行けるんじゃね？

もしや、上からなら行けるんじゃね？ と気づいたもよう。2023年10月 アップル iPhone 15 Pro Max

無事アプローチ成功！ さすがだ。2023年10月 アップル iPhone 15 Pro Max

　賢い！ というわけで、ここでやっとカメラをiPhone 15 Pro Maxから富士フイルムの「GFX100 II」に持ち替える。

　やっとボールに触れたキジトラ。

透明なボウルだと、上からでも下からでも鑑賞できるからいいよね。無事にボールを捕まえました。2023年10月 富士フイルム GFX100 II

　もう1匹はというと、まだ下からのアプローチに挑戦してるのだった（さっきとはちょっと立ち位置が変わってる）。

「くそ、なんであいつだけボールに触れて、オレはだめなんだー」という姿を、「おまえ何やってんだ？」って顔で見下してるの図。2023年10月 富士フイルム GFX100 II

　そして、これでやっとボウルの中で丸くなって液体と化したキジトラ子猫を堪能できるかと思いきや、今度は上からぶら下がってる紐を見つけ、いつまでたっても落ち着いてくれないのである。

今度は上からぶら下がってる紐を発見（もともとこの先に何かが付いてたのだが、取ってしまったらしい）。これは気になるわ。2023年10月 富士フイルム GFX100 II

そして、しまいには立ち上がって咥えてしまったのである。2023年10月 富士フイルム GFX100 II

　結論。猫は面白い。

　そして、私はといえば、一番いいアングルで撮るために、モニタを開いたりファインダーを覗いたり、立ったり座ったりを繰り返して、すっかり疲れたのであった。

 

筆者紹介─荻窪 圭

 

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい！』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見！ 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/