週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

20年の時代を経て名機を復活させたサムスン「Galaxy Z Flip5 Retro」

2023年11月03日 12時00分更新

Galaxy

Galaxy Z Flip5 Retro

サムスンの過去モデルを彷彿とさせるFlipシリーズ

 サムスンは11月1日から一部の国で「Galaxy Z Flip5 Retro」の販売を始めました。Retroの名前がつくことからわかるように、過去の古いサムスンモデルをインスパイアした製品です。今回、そのオリジナルとなったのは今から20年前、2003年に発売されたファッショナブルなフィーチャーフォン「SGH-E700」です。

Galaxy

SGH-E700

 SGH-E700が発売された当時のことは、筆者も覚えています。アンテナレスで流線型のボディーはシルバーとインディゴブルーのツートンカラーで覆われ、外部ディスプレーはカラーの有機EL。スタイリッシュな外観から世界的に大人気となり、筆者の住む香港では年末発売ということもあって女性のクリスマスプレゼントに売れまくりました。

 また香港内を走るマイクロバスに乗車中、とあるバス停で首からE700をぶら下げた女性が乗ってきたとき、車内の男性陣が彼女のE700に目を奪われた、なんて光景を思い出すほどです。

Galaxy

今見ても美しいフォルムだ

 SGH-E700は累計1000万台を売るベストセラーとなり、サムスンの携帯電話を「機能だけではなくデザインも優れた製品」と世界中に知らしめたのでした。ただし、この「世界中」には日本は含まれません。当時の日本は、国内メーカーが寡占する閉じたマーケットであり「日本のiモードケータイが世界一」という時代でした。海外のデザイン端末が参入できる市場ではなかったのです。

 ちなみに、E700のリバイバル製品は2021年にGalaxy Buds用のケースとして登場しています。それだけ愛された端末だったわけです。

Galaxy Buds Proのレトロケータイケース

ヨーロッパやアジア、そして韓国で人気となった「SGH-T100」「SGH-E700」の外観をデフォルメしたGalaxy Buds Pro用のケースが発売されました。

Galaxy

SGH-E700型Galaxy Budsケース

 そんなE700を現代によみがえらせたGalaxy Z Flip5 Retroは、本体カラーをE700と同様のインディゴブルー&シルバーのカラーリングにしています。また、壁紙のテーマなどは当時のフィーチャーフォンで使われたグラフィックのイメージを再現しているとのこと。端末は最新技術を搭載しているのに、ちょっと懐かしさを覚える壁紙というアンマッチングな仕上げも楽しそうです。

Galaxy

昔のフィーチャーフォンっぽい壁紙デザイン

 ほかには透明なフリップスーツケースも付属し、背面側に装着するNFCパネルでテーマを一括変更できるフリップスーツカード3種も同梱。このカードはサムスンの歴史を示す時代別のロゴがプリントされています。さらにはE700のボディーをあしらった限定コレクションカードも付属します。

Galaxy

Galaxy Z Flip5 Retroのパッケージと付属品

 縦折り式のフリップフォンで、昔の折りたたみ型フィーチャーフォンを再現するというのは面白いアイディアです。HMD Globalがスマートフォンとフィーチャーフォンでノキアブランドを復刻させたときに、過去の大ベストセラーとなった「Nokia 3310」を現代に蘇らせました。サムスンは他にも「名機」と呼べるフィーチャーフォンを過去に出していますから、もしかするとこの復刻版シリーズをこれから出てくるのかもしれません。

Galaxy

今後も名機復活シリーズが出てくるかも

山根博士のオフィシャルサイト

「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!

 長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!

 「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!

→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事