Xは10月27日(現地時間)、新しい有料プランとして「Xプレミアムプラス」と「ベーシック」の2種類を追加した。これまでの「Xプレミアム(旧Twitter Blue)」と合わせて3プラン体制となる。
we’re also launching a new Basic tier for $3/month (when signing up via Web) that gives you access to the most essential Premium features
— Premium (@premium) October 27, 2023
Xプレミアムプラス
Xプレミアムプラスは、既存プラン「Xプレミアム」の上位互換に当たるプラン。価格はウェブ経由の契約の場合、月額1960円または年額2万560円となる。
特徴は広告が一切非表示となること。さらに返信が優先的に表示されやすくなるブースト機能の効果が最大となる。逆に言えば、これら2つの機能以外はXプレミアムと変わらない。
ベーシック
ベーシックプランはXプレミアムから一部の機能を削ったり、性能を下げることで料金を安くしたプラン。ウェブから契約した場合、月額368円または年額3916円となる。機能面については以下の点がプレミアムやXプレミアムプランと異なる。
●性能が下がる機能
・返信のブースト(「小」に性能低下)
●利用できない機能
・広告表示数の半減または非表示
・ポストやサブスクリプションからの収益化
・X Pro(旧TweetDeck)
・Media Studio
・アナリティクス
・チェックマーク
・身分証明書の確認
インプレッション稼ぎのスパム返信は増加するか?
Xでは所定の条件を満たしたXプレミアムとXプレミアムプラスのユーザーに対し、同社が広告から得た収益の一部を還元する制度がある。
10月31日現在、日本での条件は「フォロワーが500人以上いること」「過去3ヶ月間の自身のポストに対するインプレッションが500万件以上あること」の2つだが、後者の数値を稼ぐためとみられるスパムも観測されている。
主な手法はインプレッション数が多いポスト(いわゆる「バズっている」ポスト)に対して、関連性の低い返信を投稿するというもの。本筋の話題と一切関係ない文章のみで構成されたシンプルなものから、「すごい」「おもしろい」など一応返信として成立する文章の後に話題と無関係な自分のポストのURLを挿入する手の込んだものまで、複数のパターンが存在している。
問題は、こうした行為をするアカウントはもれなくXプレミアムかXプレミアムプラスに加入しているため、前述のブースト機能により、返信欄で優先的に表示されてしまうことだ。有料プランユーザーのために用意した収益化制度とブースト機能が、結果としてスパム拡大に貢献している皮肉な状況だけに、X側には早期の抜本的な対策が望まれる。
なお、今回追加された最安のベーシックプランについては、すでに触れた通り、返信のブースト機能はあるが収益化機能は搭載していない。よって、ベーシックプラン導入が引き金となり、インプレッション稼ぎを目的としたスパム返信が大きく増加する可能性は低いとみてよいだろう。
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