20代は9割が把握済
ステマ規制を4人に1人は知らない。「本人の言葉で体験を元に語る」のがポイント
4人に1人はステマを「知らない」
2023年10月1日から、ステルスマーケティング、通称「ステマ」が規制対象となっているが、ユーザーの認識実態はどうなのか。アジャイルメディア・ネットワークの景表法改正に対するユーザー意識調査(2023年4月)を見てみよう。
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ステマ規制によって、金銭や物品・サービスの提供を受けた第三者のソーシャルメディアなどへ「#PR」「#広告」などのクレジット表記がない投稿や、企業関係者の無関係な第三者を装った投稿は規制の対象となり、金銭や物品・サービスを提供した側が措置命令などの行政処分を受ける可能性が出てきた。
金銭や物品・サービスの提供を受けた上での情報発信は広告と明示しなければならないことを知っているか聞いたところ、「知っていた」(31%)、「ある程度知っていた」(26%)、「聞いたことはあった」(17%)と合計74%が認知していた。
一方、「全く知らなかった」も4分の1に当たる26%いた。年代別で見ると、10~20代での認知度が高く、特に20代では9割が把握しているが、年齢が高い層では認知度は低くなる。
なお、ステマに対する規制強化については、「とても評価できる」「評価できる」が合わせて65%となり、評価する傾向が過半数を超えている。
規制強化を評価する理由は、「より正確な情報がほしいから」「安心してソーシャルメディアを利用したいから」などとなっている。ステマが横行すると、口コミの見極めが難しくなることを懸念しているというわけだ。
本人の言葉で体験を元に語ることが大切
ソーシャルメディア上のどんな投稿に興味を持つか聞いたところ、「#PR」表記なしの場合は、「本人の言葉で語られている」「実際の体験に基づいた内容になっている」の重要度が高くなった。
次に「#PR」表記ありのソーシャルメディア上のどんな投稿に興味を持つか聞いたところ、「#PR」がついていても、やはり「本人の言葉で語られている」「実際の体験に基づいた内容になっている」の重要度が高い結果となった。
「#PR」が付いていても必ずしもマイナスにとらえられるとは限らず、本人の言葉で語ったり、実際の体験に基づいて伝えられていれば、投稿に興味を持たれるというわけだ。
「広告と書いてなくても疑うようになっていたから、規制があるのはいいと思う。正しい情報を得るのがすごく難しくなっている」と、ある大学生は言う。規制をきっかけに、蔓延していたステマが一掃されることを願っている。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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