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おひさしぶりです! 軍用車沼へようこそ! 

米軍車両ハンヴィーのタイヤがとんでもないことになった話

2023年11月03日 07時00分更新

文● むきみ(@TK6506) 編集● こーのス

米軍車両ハンヴィー

石と砂利、砂の河川敷でハンヴィーと(2023年4月撮影)

 お久しぶり! ちょっと忙しくなってしまったので連載をお休みさせていただいてたんですけど、気づいたら1年以上経ってしまってました。少しの間のつもりだったのにすみません。これからは月1回ぐらいのペースでゆるゆると続けられたらと思います。

 というわけで再開の第1回目はまたハンヴィーのお話から。

高機動多用途装輪車両ハンヴィーに乗って
軍用無線機と軍用車のイベントへ

 あれはちょうど1年前のことです。2022年の10月に「軍用無線キャンプ」というイベントにハンヴィーで行ってきました。毎年春と秋の年2回開催されている軍用無線機と軍用車のイベントで、土日に渡ってキャンプをしつつ来場者の軍用車を見て回り、修理話で盛り上がったりフリーマーケットで掘り出し物を漁ったりっていう、まさに俺得な2日間です。

 ずいぶん前からほぼ毎回通っていて、この連載でも一度触れたことがありました(第24回「軍用無線機イベントで食べたレーションがメニュー豊富で美味」)。

主食からデザートまであるレーション(戦闘食・保存食)。詳しい食レポは過去記事でどうぞ

 会場は神奈川県相模原市にある相模川のほとり。高田橋という橋の周辺に広がる石や砂利、砂などが入り混じった河川敷で、川のすぐそばまでクルマで乗り入れることができるのがポイント高いエリアです。

 たまに大きな石や積み重なった石があったりするのでぶつけないように注意しなくちゃいけないし、砂利や砂でスタックする可能性もゼロではありませんけど、そこは四駆の軍用車ハンヴィー。その程度の悪路は屁でもないというかむしろ得意分野なので、フリマのテントや軍用車が集まっているあたりまで、ハンヴィーを走らせてピューと向かいます。

 ……と思ったんですが、なんか変なんですよね。途中から全然、ピューじゃない。めっちゃ抵抗感がある。さらに、ターンしようとハンドルを切ったらケツが横滑りするような妙な感覚が伝わってきたりして。

 まあでも、いかにも砂にタイヤが埋まって重くなってるような感じだし、砂利や石で横滑りしたりしてるんだろうと、たいして気に留めませんでした。結果としてそれが大間違いだったわけですが。

ハンヴィーは4WSじゃないのに
4WSと勘違いされたのは、なぜ?

 受付に行こうとしてハンヴィーを降りた時に、声をかけられました。以前この会場でご挨拶したことのある方から、「ハンヴィーって4WSでしたっけ?」って。んんん? 違いますよ? どういうこと?

 ちなみに4WSというのは「4 Wheel Steering」の略で、日本語では四輪操舵と呼ばれたりします。普通のクルマはハンドルを回すと前輪が左右に動きますけど、四輪操舵は文字通り四輪全てが操舵される仕組み。後輪も左右に動きます。1980年代から1990年代にかけて流行り、一時は衰退したものの近年また採用車が増えてきているそうです。

 4WSのメリットは高速走行時の安定性の向上と低速時の小回り性能の向上です。一定速度以上で走っている時は後輪が前輪と同じ向きに動く「同位相」というモードになります。同じ向きなので大袈裟に言えば斜めに進む感じになり、高速道路でのレーンチェンジの時などに安定性がアップします。低速の場合は、今度は後輪が前輪とは逆向きに動く「逆位相」になり、小回りが効くようになります。

 大型のクルマの場合、高速走行はあまりしないので"逆位相のみの4WS"なことが多くて、たとえば、自衛隊のハンヴィーっぽいクルマ「高機動車」には油圧で動作する逆位相4WSが装備されています。

 でもハンヴィーには付いてないんですよね、4WS。ハンヴィーは1985年から配備が始まったので年代的にはピッタリですけど、アメリカは土地が広いから小回りなんて不要ということなのか、採用されていません。

 で、「付いてないですよ?」って答えたら、相手が「え?」みたいな顔になりました。こっちが「え?」です。なぜ4WSが付いてると思われたのでしょうか……?

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