自分の動画や音楽だけでなく、アナウンスやシェアも
CEATEC会場でのデモは、海外の講演を聞きに行くという想定で、途中の空港でAuracastを体験するというシナリオだ。参加者はイヤホンとスマホを受け取り、片耳にイヤホンを入れてAuracastの音声、別の耳で解説者の話を聞きながらツアーを進める。
まず、搭乗までの時間を潰すという想定で、スポーツバー風の空港のラウンジに行く。壁には二台のテレビが設置され、それぞれバスケットボールとサッカーの中継が放送されている。テレビは無音で、画面だけが見られる状態だ。
ここで参加者がスマホアプリから「TV1」と書かれたチャンネルを選択すると、イヤホンからサッカーの音声を聴けるようになる。自分だけでなく、ほかの参加者のイヤホンにも同じ音声が聞こえているので、ブロードキャストされていることがわかる。バスケの試合を見たい人は「TV2」を選択すれば、その実況が聞こえる。とても効果が分かりやすいデモだ。
続いて、搭乗ゲートを模したコーナーに移る。ゲート付近の椅子に、Daveというマネキン(私の友人という設定)がいてノートPCの動画を楽しんでいる。Daveはイヤホンを使っているので、私には聞こえないが、スマホアプリで「Dave's PC」を選択すると、私のイヤホンでも動画の音声が聞こえるようになる。同じ場所には、さらにLoriという友人もいる。Loriはスマホで音楽を楽しんでいる。そこで「Lori's Phone」を選択すると、彼女と音楽を一緒に楽しむことができる。
ちなみにこのLoriのケースは、CEATECで追加された独自のシナリオである。DaveとLoriのケースではチャンネルの選択時にパスコードの入力が必要となる。Auracastではセキュリティ上の配慮があることも知ることができた。
さらに、搭乗ゲート付近で「搭乗ゲートB23」というメニューを選択すると、搭乗案内がイヤホンから聞こえてくる。また、アプリが日本語に翻訳されていることもわかる。空港での音声案内は、騒々しい中で不明瞭なスピーカーの音を聴かないといけない場合も多いが、これならばはっきりと聞き取ることができる。音楽を聴いていてもいちいちイヤホンを外す必要がないし、耳が不自由な人は補聴器でアナウンスを聞こともできるだろう。
最終的に参加者はカンファレンスの会場に到着。会場でもAuracastを用いて、自分のイヤホンで講演内容を聞くことができる。この時、同時通訳の音声など、チャンネルを合わせて聞きたい音声を選ぶこともできる。
このようにAuracastはさまざまな場面で応用できる。東京の山手線では車内にディスプレーが設置されており、無音でCMなどが流れているが、その音声をAuracastで聞けると便利だろう。また、ライブ会場などで、イヤホンを前提としたASMR音声を楽しむといった応用もできるはずだ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります