スマートフォンの値引規制が厳しくなってから、各キャリアやショップではあの手、この手で加入しやすい条件をひねりだしているが、それが逆に消費者にはわかりづらいという状況が発生している。そんな中、発売直後のPixel 8が「1万円以下」という表示を見かけるようになってきた。店頭ではなにが起きているのだろうか。
年末に向けて、さまざまな形で安売りが実施中
値引規制がある現在多いのは、スマートフォンを48回または24回分割払いで購入、基本的には2年後にユーザーがそのスマートフォンを返却すると、残りの支払額が免除という買い方。ドコモ「いつでもカエドキプログラム+」、au「スマホトクするプログラム」、ソフトバンク「新トクするサポート」と呼ばれる各プログラムがそれだ。
最近の特価で、おおむね共通するのは、上記の分割払いのうち、最初の2年の支払額を極端に低く設定(そのまま返却せずに使い続ける場合、3年目4年目は最初の2年よりは多く支払う必要があることが多い)。その2年分の支払額を「実質負担額」と表現するものだ。なお、ドコモの「いつでもカエドキプログラム+」では、この秋に“+”が付いて条件が変わり、1年間で返却した場合でも免除額が大きくなり、1年ごとでの最新機種の乗り換えがしやすくなっている。
つまり、店頭で「2年間で24円」などと書いてある表示は、あくまで2年間使って、端末を返却した場合に、その金額で使えるというものであり、決して24円の支払いだけで、ずっとそのスマートフォンが自分のものになるわけではない点は注意が必要だ。それでも、2年間使って24円しかかからないのであれば、うまく使えば大変オトクではある。
そして、これらのプログラムを利用する場合に、大幅値引きが乗っかって、総支払額でも普通に買うよりも安価なケースがある。3~4年目は分割払いの金額が高くなっても、ユーザーにとってそれだけの価値があるのなら、そのまま継続利用してもいいし、自分で中古店などに下取りに出した場合の価格が、残債より大きく高いのなら、残債は一括返済して自分で売りに行ってもいい。
画面を割るなど、大きな破損をした場合にそのままでは残債免除にならない(追加の支払が必要な)可能性もあるが、壊してしまえば査定額が下がったり、修理費用が必要なこと自体は普通に購入した場合と同じ。しかもこれらのプログラムでは追加の支払額があらかじめ2万2000円などと設定されている。よく理解してうまく使えば便利なプログラムだろう。
Pixel 8が早くも実質1万円以下
説明が長くなったが、登場したばかりのPixel 8が、MNPでの加入や22歳以下の新規契約時に、2年の支払額が約1万円という負担で使えるようになっている。auとソフトバンクで店頭での実施例を確認しており、ソフトバンクでの例では最初の2ヵ月間は月410円で、約2年間は9840円といった計算だった。
しかし、3~4年目の支払額は月3444円で、合計は8万2656円。2年後にPixel 8の買取価格はここまで高くないと思われるので、それなら2年後に返却するのがよさそうだ。
ちなみに、Pixel 8に並べて、Pixel 8 Proも売られていることもある。しかし、現時点で筆者が見た範囲ではMNPによる分の値引きがされているだけで、最初の2年の支払額はオンラインなどと比べて、ほとんど安くなっていないようだった。なお、キャリアでのPixel 8やPixel 8 Proの通常価格は、端末だけで購入できるGoogleストアの方が安価だ。ほかの販売チャネルとも比較しながら、どこで購入するか決めてほしい。
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