◆チップセットやバッテリーに加えディスプレーも進化
基本性能を確認すると、チップセットはクアルコム製のミドルクラス向けとしては最も新しい「Snapdragon 6 Gen 1」を搭載。メモリーは6GB、ストレージは128GBで、microSDにより最大1TBの追加が可能だ。
2023年に投入されたミドルクラスのスマートフォンは、2022年の同クラスのモデルと同じ「Snapdragon 695 5G」を搭載することが多かった。それだけに、世代が新しいチップセットを搭載していることもミドルクラスの中では大きな差異化要因となりそうだ。
実際どの程度の性能を持つのかベンチマークで確認してみると、やはりSnapdragon 695 5Gよりは明らかに高いスコアを記録している。それゆえ主要ゲームで確認しても、「PUBG MOBILE」でグラフィック設定をハイエンド並みの「ウルトラHDR」にまで上げられるなど、著しく性能が向上している。
ただクアルコムやMediaTek製のハイエンドモデルと比べるとやはりスコアは低いので、“ミドルハイに限りなく近いミドル”といったところ。とはいえ世代の進化でチップセットは明らかに進化しているだけに、ミドルクラスながらゲーミングでは従来より高い満足度が得られることは間違いない。
もう1つ、強化がなされているのがバッテリーであり、AQUOS sense8はAQUOS sense7からバッテリーをおよそ500mAh増量し、5000mAhとなった。それに加えてディスプレーには従来同様、省電力に定評のあるIGZO OLEDを採用していることから、バッテリーの持ちに関しては従来以上に高い安心感が得られるだろう。
ちなみにディスプレーはリフレッシュレート90Hz駆動で、間に黒の画面を挿入した最大180Hzでのなめらかハイスピード表示も取り入れられている。素材の改良によって画質を変えることなくブルーライトの50%低減を実現しており、ディスプレー技術を存分に発揮した使い勝手の向上がなされているのも、シャープらしいポイントといえる。
最後に通信に関してだが、全モデル共通で物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM機構を採用しており、もちろん5Gにも対応。AQUOS sense7同様、ドコモの5Gの4.5GHz帯(n79)や、携帯各社の4Gプラチナバンドにも対応しているので安心感がある。
【まとめ】値段は上がったがミドルクラスの中では魅力が高い
AQUOS sense8は見た目こそAQUOS sense7に近いが、その中身はかなり進化していることがわかる。ベースの性能強化だけでなく、得意とするディスプレー技術を使い勝手の向上に存分に活かしている点はやはりシャープらしさを感じさせる。
ただ、性能向上に加え円安の影響が直撃したためか、携帯各社の販売価格を見ると、価格は6万円前半と、AQUOS sense7よりさらに価格が上がってしまった。それでもSnapdragon 695 5Gを搭載した競合のミドルクラスと比べれば性能的に見て魅力もお得感も高いのだが、定番中の定番というべきAQUOS senseシリーズの価格がここまで上がってしまうと「購入しやすいミドルクラス」という定義も変わってきてしまうだけに悩ましい。
「AQUOS sense8」の主なスペック | |
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ディスプレー | 6.1型有機EL 180Hz対応 |
画面解像度 | 1080×2432 |
サイズ | 約71×153×8.4mm |
重量 | 約159g |
CPU | Snapdragon 6 Gen 1(8コア) |
内蔵メモリー | 6GB |
内蔵ストレージ | 128GB |
外部ストレージ | microSDXC |
OS | Android 13 |
無線LAN | IEEE802.11ac |
カメラ画素数 | 約5030万画素 +約800万画素(超広角) イン:約800万画素 |
バッテリー容量 | 5000mAh |
Qi | × |
FeliCa/NFC | ○/○ |
防水/防塵 | ○/○(IP68) |
生体認証 | ○(側面指紋+マスク対応顔) |
SIM形状 | nanoSIM+eSIM |
USB端子 | Type-C |
イヤホン端子 | ○ |
カラバリ | コバルトブラック、ライトカッパー、ペールグリーン |
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