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中学生の2割は0時以降も利用している。一方、小学生の8割は21時までに終える

中学生は4年で26分、小学生も同様に17分遅くなったものって?

2023年10月24日 09時30分更新

【小中学生】ネット終了時間

中学生の2割が0時以降もネット利用

 全国の小中学生に学校からタブレットが貸与されるようになり、多くの子どもが自宅でも自由にインターネットが使えるようになった。ゲーム機でオンライン対戦をしたり、スマホやタブレットでYouTubeやTikTokを見る子も増えている。

 ネットが自由に利用できる環境が整ったことで、子どもたちの生活にはどのような影響が出ているのか。小中学生とその保護者を対象としたNTTドコモ モバイル社会研究所の「2022年親と子の調査」(2022年11月)を見てみよう。

 家庭でどのくらいの時間までネットを利用しているか聞いたところ、小学生の8割は夜9時までにネットを終える。一方、中学生になると夜9時までに終える割合は2割まで減少し、逆に0時以降が約2割まで増えている。中学生になると、深夜までネットを利用する子どもが多くなるのだ。

 ネット利用を終える時刻の平均を算出したところ、小学生は午後8時34分、中学生は午後10時25分となった。2018年調査と比較すると、小学生で17分、中学生では26分遅くなったことになる。

 2018年は、まだ家庭に子どもが自由に使えるデバイスがない、あるいはWi-Fi環境が整っていないといった事情もあった。ところが現在では小中学生なら誰でも家庭で自由にネット利用できる環境が整っている。スマホを持つ子どもも増えており、その影響で寝る時間も遅くなっているのだ。

【小中学生】ネット終了平均時間(経年変化)

SNSやゲームがやめられない子も

 さらに、スマホを長い時間利用し過ぎてしまうことがあるか聞いたところ、8~9割の小中学生が「ある」と回答。

 スマホを使い過ぎてしまう理由は、男女・学年問わず、「楽しくてやめられない」が最多だった。中学生では男女に差が見られ、男子は「暇つぶし」、女子は「友だち付き合い」「話題となっていることを見逃したくない」が多くなった。これはSNS利用が前提となっていると考えられるだろう。

 小学生のあいだは、YouTubeやTikTokなどを長時間見てしまうことが多い。なかにはオンラインゲームにはまり、長時間プレイしてしまう子も。一方、中学生からはSNSの利用が増え、なかでも女子中学生はさまざまなSNSで交流をするため、人間関係や他人の動向などが気になってやめられなくなりがちだ。

 動画、ゲーム、SNSなどはどれも楽しいものだが、はまり過ぎると夜中までやめられなくなり、睡眠時間が減ってしまう傾向にある。子どもだけで利用時間をコントロールするのは難しいため、利用時間の長さや終わりの時間について約束を決める必要があるだろう。

 約束だけでは守れないことが多いため、スクリーンタイムやデジタルウェルビーイングなどの利用時間制限機能もうまく活用しながら、保護者が利用を見守るべきだろう。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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