秋の新製品シリーズの最後を飾るのは、アップルの「iPhone 15 Pro Max」である。
iPhone 15 Pro Maxが届いて最初に撮ったのはもちろん、うちの猫、ミルだ。
見事に背景がボケて、ちょいと散らかった部屋が目立たなくなっております。iPhone 15シリーズのカメラの一番のよさがこれだと思う。
猫を見つけて(人でも犬でもいいけど)、ちょっと待つと、画面左下に「f」アイコンが出るのだ。これ「ポートレート」モードで撮れますよ、あるいは「F値を変えられる写真を撮りますよ」という意味。
猫がいっぱいいたので大量に黄色い枠が出ちゃって、カメラの猫検出機能がパニクったみたいで面白いのだけど、大事なのは画面左下の「f」。
にしても、この状態で猫をたくさん認識する(後ろ姿のもいるし)のはすごい進化ですな。
それはともかく、「f」が出てる状態で撮影すると、前後をボカした写真を生成するのに必要な「深度情報」(画面に映ってるものとカメラとの距離情報)が一緒に記録されるので、あとから前後をぼかせる。つまり、「あとからポートレート」である。
そして、「f」が出てるときにそこをタップすると、アイコンが黄色くなって「その場でポートレート」になる。
これが楽しくて、猫を撮るとき、ついつい前後をぼかしちゃうのである。
昔に比べてボケも自然になったし、特に室内で撮るときは部屋の中をあまり見せたくないって思うから、この機能が最高である。ただ、髭のように細すぎると、うまく認識できなくてボケちゃうけど、ガン見しないと気づかないかも。
冒頭写真も「f」が出た状態で撮影し、あとからポートレートで背景をぼかしたもの。背景をうまくぼかすと、写真を見たときに、撮りたかった被写体……つまり見てほしかったところにすっと視線がいくのがいい。
次は、「保護猫シェルター QUEUE」の長毛猫「さといも」さん。見た目と名前のギャップが面白いのだけど、けっこうビビりで、こっちから近寄ろうとすると警戒して逃げちゃうのだ。でも、この日は座ってじっとしてたら、そっと近づいてきて撫でさせてくれたのである。ふわふわの長毛を撫でた記念である。
ポートレートというと背景ぼかしにばかり目が行くけど、前景もちょっとぼかしてくれる。それも、以前よりボケ方がぐっと自然になった。そこも要注目だ。
というわけで、今回は、ぼかし猫特集でした。
撮った後で、ボケ具合とかフォーカス位置が微調整できるのって楽しいわ。失敗したら、ポートレートをオフにして、しれっとなかったことにすればいいんだし。いちいちポートレートモードに切り替えて撮らなくてもOKっていう気軽さも含めて、iPhone 15シリーズのヒットはこの機能だと思う。
iPhoneもすごいとこまできたなあってことで、今回のiPhone 15シリーズはカメラ的な意味でもおすすめですよ。これで円安価格じゃなければ、もっと素晴らしかったのに。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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