ソフトバンクが、10月3日に開始した新料金プラン「ペイトク」。中居正広さん、広瀬すずさんを起用したテレビCMをはじめ、積極的なプロモーションが早速展開されています。従来の主力プランとほぼ同内容の「メリハリ無制限+」(月7425円)も残りますが(違いは後述します)、今後は「ペイトク」がメインとなると考えられます。本記事ではこの「ペイトク」について詳しく見ていきます。
PayPayでの決算が月に5万円以上あるような人向けのプラン
得か損かは比較的クリアなのでよく考えて選びたい
その「ペイトク」には「ペイトク無制限」(月9625円)以外に、月30GB/50GBの「ペイトク30」(月7425円)、「ペイトク50」(月8525円)もありますが、特典内容の大小、料金差を考えると「ペイトク無制限」が多数派になるはずです。
で、「メリハリ無制限+」と「ペイトク無制限」の料金差は月2200円。この差で何が得られるかを簡潔に言えば、「PayPayでの決算時にPayPayポイントの付与率が5%プラス。その月間上限は4000円分」です。
つまり、料金差の2200円分を埋めるには、PayPayでの月4万4000円以上の決算があるかどうか。それ以上PayPayを使うなら「ペイトク無制限」がオトク、そこまで使いそうにもないなら「メリハリ無制限+」でいいとなります。ちなみに、ソフトバンクの携帯電話料金や病院、プリペイドカードなどでの支払いはポイント加算の対象外です。
PayPayで月4万4000円決済する。うーん、これは使い方によって、それぞれなので各々で判断していただくしかないでしょう。筆者はPayPay以外のクレカがメインで、PayPayを使うのはそれしか対応していないスーパーでの買い物のみなので、月4万4000円は遠そうです。逆にPayPayをメインの決済手段でバリバリ使うなら、メリットあり。いずれにせよ、得になるか損になるかのポイントは比較的明瞭なプランだとは言えます。
ちなみに来年の2月20日までは「ペイトク無制限」でのポイント付与率が3倍の15%にアップするキャンペーンがあるので、2200円分のポイントを得るのは1万4000円ほどでOK。その間にユーザーにPayPay依存を進めてもらおうという狙いでしょうか。
携帯料金と決済サービスのオトクのセットは有りか?
通常プランの選択肢はしっかりユーザーに提示してほしい
一方で、携帯料金にPayPayでの決済という別の領域の要素を抱き合わせにするのは、「複雑になってよくない!」という意見も見かけます。これについては肯く部分も半分あるのですが、キャリアとしての工夫のしどころではないかという考えももう半分であり、ユーザーにシンプルな「メリハリ無制限+」と「ペイトク」の2つの選択肢がしっかり提示されることが重要なのではないかと考えます。
そこで現在のソフトバンクの料金プランのページ(https://www.softbank.jp/mobile/price_plan/)を見てみると、「メリハリ無制限+」を表示させるまで、それほどスクロールを必要としない場所にあることは○。ショップなどでも「ペイトク」に強く誘導されるようなことはあるべきではないでしょう。
200GB以上使うと最大4.5Mbpsという制限自体は妥当としても
「無制限でないものを無制限」はよくないのでは?
一方で問題を感じるのが、10月3日以降の新料金における“無制限”。「メリハリ無制限」から「メリハリ無制限+」になり、「PayPayカード割」相当の月187円が値上げになりましたが、それとは別に、極端にデータ通信を利用するユーザー、より具体的には月200GBを超えた場合に、最大4.5Mbpsの通信速度制限が加わります。これは「ペイトク無制限」でも同様です(「メリハリ無制限」の既存ユーザーはそのまま「メリハリ無制限」を利用可能。ただし、「メリハリ無制限+」や「ペイトク」への移行後に再度「メリハリ無制限」にすることは不可)。
最大4.5Mbpsの通信速度であれば、スマホでのウェブ閲覧や動画視聴などで遅さを感じる機会はあまりないはずで(PCでのテザリングは前プランは月30GB、新プランは月50GBの上限あり)、電波は有限なリソースであることを考えると、この制限は個人的には妥当と見るのですが、“無制限”でないこともまた明らか。
それだけ消費者が「無制限」「使い放題」「食べ放題」といったキーワードに引きつけられることの現われなのかもしれませんし、上述のように制限自体は妥当だとも考えているので「ダメ、NG」とは断言しがたいのですが、やっぱり「無制限でないものを無制限と名付けるのは“よくない”」というのを今回の結論にしたいと思います。
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