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SUPER GT第6戦で冨林勇佑は2戦連続で予選快調だったが決勝はトラブルに泣く

 SUPER GT第6戦「SUGO GT300km RACE」が9月16~17日に宮城県のスポーツランドSUGOで行なわれた。ASCII.jpが応援する冨林勇佑選手が乗る5号車「マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号」(冨林勇佑/松井孝允)は、2戦連続で予選Q2に進出し、15番手からポイント圏内を目指すも、終盤にマシントラブルが発生し22位でレースを終えた。

苦しいレースが続く今年だが
予選は好調さを見せた

 ここまで速さは見せつつも、なかなかポイント圏内でゴールできていない5号車。今回の舞台となるスポーツランドSUGOは86が得意とするコースのひとつである。成績に応じて課せられるサクセスウェイトも、この第6戦が一番重いチームと軽いチームで差が生まれる。ここまで好成績が残せていない分、サクセスウェイト0kgで迎えられるというメリットを活かして、何とか上位入賞を飾りたいとチーム・ドライバーともに意気込んでサーキット入りした。

 大会前日の金曜日夜に雨が降った影響で、ハーフウエットの状態で土曜日の公式練習がスタート。ただ、今季の5号車はウエット路面で苦戦する傾向があり、なかなかタイムが伸びず。セッション後半には路面が乾き、スリックタイヤを履いての走行になったが、クラッシュ車両が発生して赤旗中断があったこともあり、GT300クラスの25番手でセッションを終えた。

 さらに、午後の予選Q1開始直前に再び雨が降り始めて、路面はハーフウエットの状態に。不安要素がさらに増えるコンディションのなかで予選アタックに臨むこととなった。

 5号車のQ1担当は松井。冨林をはじめチームスタッフが見守る中、ピットを後にした。当初は劣勢になるかと思われていたハーフウエットのコンディションだが、ライバルよりも早いペースで周回。計測1周目から1分28秒台を記録し、計測3周目で1分27秒795をマーク。A組の6番手につけ、Q1突破を果たした。

 この時点で雨が止んでいたこともあり、Q1B組ではスリックタイヤを装着してアタックするマシンも現れるなど、路面コンディションは急速に回復。冨林が担当するQ2は完全にドライコンディションとなった中でのアタックとなった。

 少しでも上の順位を目指して入念にタイヤを温めてアタックに臨んだ冨林。時間いっぱいを使って2周連続でアタックを試みるなど、積極果敢な走りをみせたが、ベストタイムは1分19秒454となり、15番手で予選を終えた。

 本音を言えばベストなポジションではないのだが、ポイント圏内を目指すとなると、決して不可能ではない位置でもある。毎年SUGOでのレースは荒れることが多いため、状況にうまく対応していければ、上位進出も狙える。いつも以上に決勝に向けて期待が高まる雰囲気がピットには漂っていた。

予選のポールを獲ったのは新田守男選手(左)、高木真一選手(右)というベテランタッグの96号車「K-tunes RC F GT3」

序盤で追突され苦しいスタートの決勝レース

 迎えた日曜日の決勝レース。15番手からスタートする冨林は、序盤から少しでも優位な展開を作ろうと隙を探るが、国内で一番狭いことで有名なSUGOのコースでは、なかなかチャンスを作れない。さらにタイヤのウォームアップを含めた序盤のペースはライバルの方が優勢で、じりじりとポジションを落としていくこととなった。

 そんな中、5周目の1コーナーでポジションを争っていた5号車が後続車両に接触され、スピンを喫してしまう。冨林は冷静に対処してコース復帰を果たしたが、これにより最後尾付近までポジションを下げてしまい、またしても劣勢の展開からの追い上げを余儀なくされた。

 それでも、冨林は諦めずに挽回を目指して周回を重ね、16番手まで順位を上げた28周目にピットイン。松井にドライバー交代した。

 その後、GT500クラスで大きなアクシデントがあり、全体トップの39周目に赤旗が出され、約45分にわたってレースが中断された。再開後も松井が粘り強くポジションアップを目指し、19番手を走行。チェッカーまで残り10周を切ってラストスパートというところに差し掛かったのだが……71周目にコンプレッサーのトラブルが発生しスローダウン。そのままピットに戻り、マシンをガレージに収めた結果、チェッカーを受けることはできなかった。

 結果は完走扱いの22位。ゴールまでもう少しだっただけに、チームスタッフからも落胆の表情がうかがえた。

 「途中にスピンしてからタイヤの内圧が上がって、さらにピックアップ(タイヤカスが自身のタイヤ表面に貼り付いてグリップが落ちる症状)がひどくて、なかなか改善できなかったです」と冨林。

冨林勇佑選手

松井孝允選手

 「松井選手に交代する時に、タイヤの内圧を下げたら、だいぶ良くはなりましたが、それでも上位陣と比べるとペースは良くありませんでした。振り返ると、今回のヨコハマタイヤ勢は軽いクルマの方が逆に苦戦したかなという印象がありました」と語った。

 そのなかで冨林は、ピックアップへの対処に課題が残ると語る。

 「僕自身もピックアップが起きた時の、効率の良い対処がまだまだで、松井選手と比べると乏しい部分があります。そこはもう少し学ばないといけないなと思うところがあります。そもそも(ピックアップを)しないことが一番良いのですけど、今年はピックアップが起きることが多いので、そこは松井選手にもいろいろ聞きながら、自分でもやれることをやっていきたいです」

優勝した18号車が車検で失格になり、繰り上がって優勝になった52号車「埼玉トヨペットGB GR Supra GT」

今季は苦しい戦いを強いられていた20号車「シェイドレーシング GR86 GT」が2位

2回目の3位表彰台を獲得した6号車「DOBOT Audi R8 LMS」

 次回第7戦は、チームの地元である九州・オートポリス。今季のSUPER GTでは、なかなか吉報が聞こえない冨林だが、残り2戦で彼の速さが光る走りを、ぜひ見たいところだ。

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