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1スロット&低消費電力で運用可能な「Radeon PRO W7500/ W7600」を試す

2023年10月11日 13時00分更新

 AMDの「Radeon PRO W7000」シリーズは、RDNA 3アーキテクチャーを採用した“プロ向け”Radeonの最新版だ。RDNA 3により強化されたRay Accelerator、DisplayPort 2.1やAV1のハードウェアエンコードなど、ゲーミング向けGPUであるRadeon RX 7000シリーズの持つ特徴をそのまま備えている(発表記事:https://ascii.jp/elem/000/004/132/4132999/)。

 今回筆者は幸運にもエントリー向けの「Radeon PRO W7600」(PRO W7600)およびRadeon PRO W7500」(PRO W7500)をテストする機会に恵まれた。これらのカードは1スロット厚のカードであり、PRO W7500に至っては補助電源ケーブルなしで動作するという低消費電力設計が売りだ。

 絶対的なパフォーマンスは上位モデルであるRadeon PRO W7900やRadeon PRO W7800には及ばないが、小形のワークステーションでの運用がしやすいというのが最大の特徴となっている。今回は簡単ではあるが、AMDの新プロ向けGPUのパフォーマンスを検証してみたい。

Radeon PRO W7600のカード。上位モデルと同様に黒ベースのデザイン+ブロワーファンが採用されている。全長は241mm

PRO W7600はカード後部に補助電源コネクターを備えているが、6ピンのみとなる。スペック的にRX 7600に近いが、あちらは8ピンである

Radeon PRO W7500のカードはW7500よりもさらに短く、216mmに収まっている。どちらのカードもバックパネルはなく、PCBが剥き出しになっている

PRO W7600とPRO W7500のカードの長さ比較

映像出力はDisplayPort 2.1が4系統。PRO W7500もPRO W7600も共通仕様となる

「GPU-Z」によるPRO W7600の情報。PCI Express Gen4 x8接続、メモリーバス幅128bitなど、スペック的にRX 7600と類似している点がある

こちらはPRO W7500の情報。本稿の検証終了後にGPU-Zのバージョンが上がったためGPU-Zのスクリーンショットを撮り直したが、その時にミスでゲーム向けのドライバーで認識された状態でこれを撮ってしまった。ただし本稿の検証はPRO向けの23.Q3で行っている

Radeon PRO W7600/ W7500と、その近傍のGPUとのスペック比較。AMD公式にはクロックッ表記がないため、クロック類はGPU-Zのデータベースのものを採用した

 スペックを比較すると、PRO W7600はRX 7600とベースが同じで、6ピンの補助電源で動かせるようにクロックやTBPを絞ったもの。PRO W7500は、1世代前のPRO W6600の仕様をほぼそのままRDNA 3にスライドしつつ、補助電源なしで動かせるようにしたもの、と言うことができる。VRAMはそれぞれ8GBで、上位モデルであるPRO W7800のようにECC対応ではない。

Radeon PRO向けのドライバーを入れると、AMD Softwareも青ベースのGUIになる

RX 7600の設計を引き継いでいるため、動画のハードウェアエンコーダーもRX 7600と同じ仕様。タスクマネージャ上で確認できるVideo Codecは1つなので、シングルエンコーダー仕様となる(上位のPRO W7800はデュアルエンコーダー)

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