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“新製品よりも「台座」に釘付け”

マニアックすぎる「ホビーショー」解説 君はついてこれるか

2023年10月07日 09時00分更新

ファインモールドの真骨頂
「1/35帝国陸軍 軍馬輸送隊セット 三九式輜重車 甲」を見よ!

 次に紹介するのは、精巧な金型技術に定評のあるファインモールド。全日本模型ホビーショーいち濃いブースはココ(オレ調べ)。今回のブースには、帝国陸軍戦車など他メーカーがプラモデル化していないキットを、超絶モールドでキット化してきたファインモールドの新骨頂ともいえる製品が!

 鈴木社長に聞けば「誰も知らないものをキット化しました(笑)。そもそもコレなんて、なんて読むかわかります?」とのこと。

みなさん、この“輜重車”って読めますか? 

「1/35帝国陸軍 軍馬輸送隊セット 三九式輜重車(しちょうしゃ) 甲」
 ●ファインモールド
 ●4180円(税込)
 ●2024年2月出荷予定

 この「三九式輜重車(しちょうしゃ) 甲」は明治時代から終戦まで活躍した荷馬車で、弾薬・糧食・軍需品などを前線に送る輸送手段として用いられたそうです。確かにこの時代、トラックなどすべてを機械化していたのって米軍だけだったもんな~。日本軍やドイツ軍も当然トラックは持っていましたが、主力となる輸送手段は人や馬だったそうです。

マニアック視点その3
馬の手綱の取り付け部分に付いた1ミリほどの「穴」に驚愕

 「この1/35帝国陸軍 軍馬輸送隊セット 三九式輜重車(しちょうしゃ) 甲で、いちばんこだわったのは、馬の手綱部分とか。従来のキットだとこういった薄いパーツは“プラペーパーを切って作りましょう”と記載されていたりするんですが、そうはしたくなかったので、プラの成形品として設計しました」と鈴木社長。

取り付け金具に空いた穴に驚愕! 

 それを聞いて、馬の手綱部分を凝視してみると、薄く整形された手綱も凄いんですが、その取り付け金具にまで穴が空いてる! 実物の直径は1ミリほどなんですヨ。さすがファインモールド! 同社の“ナノアビエーション”シリーズで培った緻密な金型技術の成せる技すね~。……と、感嘆しつつ、もうひとつのラインナップである「1/35帝国陸軍 野戦炊事セット 九七式沸水車」にある、野戦炊具や糧食が入った木箱、包丁でたくあんを切る兵士などをまじまじと眺めてしまいました。

「1/35帝国陸軍 野戦炊事セット 九七式沸水車」 
 ●ファインモールド
 ●4180円(税込)
 ●2024年2月出荷予定

 あらかた帝国陸軍の戦車をキット化してしまった鈴木社長は、タミヤの有名なリタリーミニチュアシリーズ「フィールドキッチン」に代表されるような、ジオラマ的な横展開も作りたくて、この帝国陸軍の“兵站”を意識した2製品をキット化したとのことです。さすがオレたちのファインモールド、毎回「そう来たか」的なマニアックなモデラー心をくすぐるラインナップを出してくるんだよな~。

解説ボードを見ながら、鈴木社長は「1ヵ月の間に戦闘が3日あるとすると、残りの28日とかはずっと歩いて、朝昼晩にはメシを食わなきゃいけないじゃないですか。ずっとキャンプみたいなものですよね」と、茶目っ気たっぷりに解説してくれました

本物の整備士も納得するほどの
“ナナニイ イーグル”とは?

 いくつかあるファインモールドのF-15ラインナップのなかでも、イチオシは「1/72 航空自衛隊F-15DJ戦闘機」

「1/72 航空自衛隊F-15DJ戦闘機」 
 ●ファインモールド
 ●4950円(税込)
 ●12月出荷予定

 展示品の前では、偶然、凄腕モデラーにして、自衛隊でF-15イーグルなど実機の整備に携わっている方に遭遇しました。

 実機を間近に見ているというか、本物の戦闘機を整備をされているメカニックの眼から見ても、「ファインモールドさんのF-15は1/72スケールではいちばんの出来ですね!機体上面のモールドの正確さはもとより、モデラー的には機体側面にあるエレベーター用ストッパーがモールドではなくパーツになっているのが嬉しいですね~」とのことでした。

 モデラー的目線でいえば1/72スケールの複座型F-15イーグルって、ハセガワの古いキットくらいしかないんです。ハセガワのイーグルは、プロポーションなどは今でも通用する出来なんですが、やはり最近のキットと比べてしまうと大味感は否めない。そのラインナップの穴をつくようにリリースされたのが、この製品。自衛隊のアグレッサー機がバリエーション展開される未来が目に浮かぶわ~!

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