マイクロソフトは10月3日(現地時間)、同社のクラウドストレージストレージサービス「OneDrive」の次世代バージョンを公開した。
今必要なファイルをすぐに探せるように
新しいOneDriveのインターフェイスは、最近のオフィスアプリやファイルエクスプローラーと近いFluentデザインに刷新されている。
必要なファイルに簡単にアクセスできることに重点が置かれており、様々な形でファイルを閲覧・検索できるだけではなく、「For you」セクションのようにAIが「今必要と思われる」ファイルをレコメンドしてくれる機能も用意されている。
左側メニューからMeeting(会議)ビューを選ぶと、会議ごとに関連する議事録や録画ファイル、共有ファイルなどがリストアップして表示される。「あの時の会議で話題に出たあの資料は……。」という時にもすぐ見つけ出すことができる。
People(人物)ビューでは、その人と共有しているファイルがすべて表示される。ファイル名を覚えていなくても共有した人さえ思い出せばいいのだ。
他にも共有ファイルをまとめて表示する「共有ビュー」や、重要なファイルを簡単に管理できる「お気に入り」や「ショートカット」などの各種ビューが用意されているほか、フォルダーの色を変更する機能も追加された。
Teams、Ootlookから直接利用可能
今後実装予定の機能も多数発表された。まずはTeamsおよびOutlookから直接OneDriveにアクセスできる機能が12月までに追加される。
オフラインモードやファイルの新規作成機能も
2024年初頭にはすべてのファイルをインターネットに接続していない状態でも使えるようになる「オフラインモード」も実装される。オフラインで実施したすべての変更は接続が回復したときに自動的にOneDriveに同期される。
2024年夏に追加される予定の「Add new(新規追加)」ボタンをクリックすると、そこから直接空白のドキュメントを作成できる。豊富なテンプレートも用意されている。
同じく2024年夏に追加予定の「メディアビュー」では、すべての画像、ビデオ、メディアを1つの場所に整理し、コンテンツを視覚的に閲覧できるようになるという。
もちろんCopilotも使える
2023年12月にはCopilotも導入される。「去年の2月に山田君が参加した会議の議事録を全部教えて」といった自然言語でファイルを検索したり、議事録やPDFの報告書を要約したりといったことが可能になる。
また、「Microsoft 365 Chat」から、OneDriveやSharePointのファイルを含むMicrosoft 365のデータ全体を検索できるようになるようだ。
さらに、Copilotを使用すると、OneDriveに毎日ダイジェストが表示され、共有された新しいファイル、共有されたファイルの変更、新しいコメント、今後の会議に関連するドキュメント、フォローアップアクションなどが表示されるようになるという。
個人向け写真
コンシューマー版OneDriveでは、写っている人物をAIが自動的に認識・分類し、それに基づいて写真を検索できる機能も実装される。
さらに、「◯◯さんといっしょに秋の山でキャンプした写真を探して」といった自然言語検索も導入される。
これらの機能は10月より、OneDrive for WebとOneDrive Mobileアプリで限定プレビューとして展開され、2024年の早い時期にはパブリック・プレビューに入る予定だ。
高度なセキュリティとガバナンス
きめ細かな条件付きアクセス制限、他要素認証、買収や合併などで組織に変更があった場合のアカウントの移動、ダウンロードブロック機能、同期管理者レポートの提供といったセキュリティとガバナンスに関わる管理者機能も多数更新されている。
今回のアップデートの目玉はもちろんAIの導入だが、オフラインモードや人物による検索など、ライバルの「Dropbox」、「Google Drive」にはできて「OneDrive」ではできなかったことを一つずつていねいに潰していっているという印象だ。
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