安全対策は家族が積極的に説明してあげることが重要
スマホデビュー時は家族に注意を受けるとルール設定率アップ~10代だけでなくシニアでも
スマホデビュー時に家族が注意する傾向
子どもやシニアにおけるスマホのトラブルが目立つが、対策はどうすればいいのか。NTTドコモのモバイル社会研究所が発表した「2022年スマホ利用者行動調査」(2022年1月)を見てみよう。
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スマホ利用の危険性を家族から説明を受けたことがあるかを聞くと、10代男女と70代女性は3割と、ほかの年代より高くなっていた。40代までは男女差はほとんどないが、50代と60代では約10ポイント、70代では20ポイント以上女性のほうが高かった。
スマホデビューは、小中学生など10代のうちが多い。また最近は高齢になってからスマホデビューするシニア層も多く、スマホデビューに合わせて家族から注意を受けたと考えられる。筆者の両親も70代になってからスマホデビューしている。
スマホは便利だが扱いが難しく、トラブルも多い。そこで10代、シニア層ともに、スマホデビュー時に家族から危険性について注意を受けているのだ。
家庭で話し合いルールを決めることが大切
スマホ利用の危険性について家族から説明を受けた人と受けていない人で、スマホ利用時に決めるルールの設定率に違いがあるのだろうか。確認すると、「個人情報が漏れないようにする」「困ったときにすぐに家族に相談する」という各ルールについて、すべての世代で家族から説明を受けた人のほうが、受けていない人よりルールの設定率が16~39ポイント上回っていた。
なお、10代(15~19歳)は「学校でスマホ利用の危険性を学んだ」人が約9割と、ほかの世代より学校でスマホの危険性について学ぶ機会が多い世代となっている。
アンケートでは、学校で学んだ人を対象に、さらに「スマホ利用の危険性について家族から説明を受けている」人と「説明を受けていない」人を比較している。すると、「個人情報を流出させないルール」は25ポイント、「困ったときにはすぐに家族に相談するルール」は16ポイント、スマホ利用の危険性について家族から説明を受けた人のほうが設定率が高い結果となった。
学校で学ぶ機会は大切だ。しかしそれだけでなく、家庭でも危険性について話し合うことで、危険に対して対処したり、ルールを決めて利用する割合が高くなるのだ。家庭で話し合い、ルールを決めることが大切ということがよくわかる。
みなさんのご家庭でも、10代の子どもや高齢の両親などがスマホデビューする際には、ぜひ危険性について説明したり、話し合ってルールを決めてあげてほしい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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