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大坂なおみをモデルにしたオリジナルAIキャラも登場

メタ、Llama 2ベースのチャットボットAI「Meta AI」発表

2023年10月01日 12時00分更新

 メタは9月27日(現地時間)、新製品発表イベント「Meta Connect 2023」の基調講演において、大規模言語モデル「Llama 2」をベースとするAI会話アシスタント「Meta AI」をはじめ、同日発表された画像生成モデル「Emu」を利用し、プロンプトで好みの画像を生成できる「AIステッカー」や実在の人物をモデルにした「AIキャラクター」など一連のAI製品を発表した。

アプリとデバイスを横断するAIアシスタント「Meta AI」

 Meta AIは、同社の大規模言語モデル「Llama 2」のテクノロジーをベースに最新の研究を活用したカスタムモデルを使用したAIアシスタント。

 先行するチャットボットと異なり、同社の「WhatsApp」「Messenger」「Instagram」といった既存のサービス内で直接利用が可能だ。

 さらに、同イベントで発表された新ハード「Ray-Ban Metaスマートグラス」と「Quest 3」にも近日導入される予定だ。

 また、マイクロソフトのBingと検索パートナーシップを結んでおり、リアルタイム情報の検索も可能になっている。

 加えて、チャット内でプロンプト「@MetaAI /imagine」を入力することで、「Midjourney」や「Stable Diffusion」のように画像を生成することもできるという。

プロンプトから作成できる「AIステッカー」

 大規模言語モデルLlama 2および同日発表された画像生成モデルEmuを利用し、「Pizza playing basketball(バスケをプレイするピザ)」といったプロンプトを入力すると数秒で作成される「AIステッカー(スタンプ)」機能は、10月から一部の英語圏ユーザーから使うことができる。利用できるアプリはWhatsApp、Messenger、Instagram、Facebook Storiesだ。

InstagramにはAIを利用した新機能「Restyle」「Backdrop」が追加

 InstagramにはEmuのテクノロジーを利用した2つの生成AI新機能が追加される。

 「Restyle」機能を使えば、「水彩画」、「雑誌や新聞のコラージュ、破れた縁」といったプロンプトを入力することで画像の雰囲気を変えることができる。

 「Backdrop」機能を使えば、「荘厳なオーロラの前」、「子犬に囲まれて」といったプロンプトを入力することで画像のシーンや背景を変更できる。

写真の左下にマークが見える

 どちらの機能も、誤解を招かないようAIが生成したコンテンツにはアイコンが明示的に表示される。 また、「明示的/暗黙的」なマーカーもテストしているようだ。

セレブをモデルにした28人のAIキャラクターも登場

 さらに米国では、大阪なおみやスヌープドッグといった有名人をモデルに作成された28種類のAIキャラクターが用意され、自由に会話できる機能がベータ版として提供されている。これらのキャラクターのプロフィールはInstagramとフェイスブックにも用意されている。

 主なAIキャラクターとそのモデルとなったセレブは以下。

・Coco(Charli D’Amelio:インフルエンサー、ダンサー)
・Perry(Chris Paul:NBA選手)
・Victor(Dwyane Wade:元NBA選手)
・Luiz(Izzy Adesanya:UFC選手)
・Billie(Kendall Jenner:インフルエンサー、モデル)
・Dylan(LaurDIY:DIY系ユーチューバー)
・Zach(MrBeast:ユーチューバー)
・Tamika(大坂なおみ:プロテニス選手)
・Amber(Paris Hilton:インフルエンサー、モデル)
・Angie(Raven Ross:フィットネスコーチ)
・Max(Roy Choi:シェフ)
・Sally(Sam Kerr:サッカー、オーストラリア女子代表)
・Dungeon Master(Snoop Dogg:ラッパー)
・Bru(Tom Brady:元NFL選手)

大坂なおみがモデルとなった「Tamika」のInstagramプロフィール

 AIキャラクター達はモデルとなった人物その人ではなく、それぞれ別の人格や設定が与えられている。

 たとえば大坂なおみをモデルとするTamikaは「アニメに夢中なセーラー戦士」、ラッパーのスヌープドッグをモデルとするDungeon Masterは「テーブルトークRPGのマスター」という人格を持った新しいキャラクターとなっている。

 現在のところBru、Perry以外のキャラクターはMeta AIのように最新の情報を取得することができないが、今後数ヵ月のうちに対応するとしている。

メタのAI戦略はコミュニケーションにフォーカス

 メタはAPIを使って独自のAIを作成できる「AI studio」も発表。今後数週間で利用開始になる予定だ。将来的にはメタバース上にもAIを構築できるようになるという。

 今回のメタの発表は、コミュニケーションを豊かにするツールとしてのAIにフォーカスしているように見える。同じAIを導入するにしても、仕事効率化のマイクロソフト、クリエイティブのAdobeとは異なるアプローチであり興味深い。

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