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Meteor Lakeで省電力なのはSoCタイルのEコアのみ インテル CPUロードマップ

2023年10月02日 12時00分更新

1次命令キャッシュが32KB→64KBに増量

 次は、そのMeteor Lakeを構成するPコアのRedwood CoveとEコアのCrestmontである。まずRedwood Coveの構造が下の画像だ。

Port 10と11の逆転は、なんだかスライドの打ち間違えではないか? という気がしてならない。少なくともこれを入れ替えて性能が上がるか? というと、そういう理由が思いつかない

 連載736回でも書いたが、Redwood CoveはGranite RapidsとMeteor Lakeの両方で採用されるわけだが、そのGranite Rapidsのブロック図と比較すると、予想通りマトリックス・エンジンはMeteor Lakeには搭載されないようだ。これは当然で、AVX512ですら有効化されているか怪しいのに、AMXを搭載するわけもない。

 内部構造をAlder LakeのGolden Coveと比較した場合、異なっているのは1次命令キャッシュが32KB→64KBに増量されたこと、それとPort 10と11の役割が逆転していること程度である。

 2次キャッシュが2MBというのはRaptor Lakeに搭載されたRaptor Coveですでに実現しているので、性能改善につながる目立った項目は1次命令キャッシュの容量しかない。

 実際には細かい改良などが施されているだろうから、いくつかの命令でスループットが上がったりレイテンシーが下がったりといった違いはあるだろうが、基本的には従来と変わらず、あとは動作周波数次第という感じである。

 一方のEコア。ここで利用されているCrestmontはSierra Forestと共通である。違いがあるとすれば、コンシューマー向けであるからメモリーサブシステム周りはSierra Forestに搭載される“Xeon Advanced Features”はまるっと無効化されているものと思われる。

おそらくだが、コンピュート・タイルのEコアは4コアあたり4MBの2次キャッシュであろう。ただSoCタイルの方はもっと少なく、例えば512KBなどでも不思議ではない

 ただこれを除くと基本的にはまったく一緒であり、そうなるとSierra Forestのところで説明したように基本的なIPCにはほとんど差がないことになる。こうなると、このスライドに出てくる“IPC gains over prior E-cores(以前のEコアに比べて IPCが向上)”をどうやって獲得しているのかは現時点でははっきりしない。

 少なくともVNNI周りの命令が多少高速化されたのはわかるし、分岐予測のメカニズムに改良があったらしいこともわかるのだが。

 このあたりは12月の製品出荷に合わせて公開されるであろうSystem Optimization Manualあたりで出てくるかもしれない。

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