シーイヤーは9月27日、“Cear Technology Conference 2023”を開催。会場で新製品の「Cear pavé 2nd Generation」を発表した。7月開催の“ポタフェス2023年夏”などでも展示していたpavé(パヴェ)の第2世代機。
シーイヤーは共栄エンジニアリングの事業部が独立するかたちで2018年に設立。音響ソフトウェアの開発に長年取り組んでおり、多くの特許を保有している。仮想音源技術に強みを持つブランドだ。国内メーカーとして他のメーカーと協業しながら縁の下の力持ち的な役割を果たしてきたメーカーだ。クアルコムとの関係も深く、2021年には国内では初めてSnapdragon Soundのテクニカルサポートを開始している。
pavéは共栄エンジニアリング時代に一度クラウドファンディングを実施しているが、Cearとなってからは初のオリジナルプロダクトだという。
パヴェは、一辺が約93mmの立方体型。小型の筐体からは想像できないような、立体的で浮かび上がるような音の再現が可能となっている。スピーカーは左右に対向配置しており、この再生音を信号処理でコントロールして、独特の定位感を出す。
Snapdragon Soundによる低遅延かつ高品質な再生が可能だ。マイクやアナログ(48kHz/24bit)/USB入力(96kHz/24bit)なども装備しており、テレワークのウェブ会議やボイスチャットに使ったり、PC音源のハイレゾ再生も可能となっている。
本体にはクアルコム製の高性能なSoC「QCC5181」を搭載。このうえで「Cear Field」や「Cear Microphone」といった独自技術を動かす。2つのスピーカーを搭載したワンボックスの筐体だけでも広がりのある音を再現できるが、LE Audioのブロードキャスト技術を用い、複数台から同時に音を出すことも可能。会場では5台の製品を同時に鳴らすデモも披露した。
Cearの村山好孝代表取締役CTOは「CSRの時代からワイヤレス化の思想に共感していた」と話す。CSRはBluetoothチップやaptXなどの低遅延/高音質コーデック技術を開発していたイギリスの企業で、現在はクアルコムが買収している。村山氏は「チャンネルオーディオやオブジェクトオーディオに加え、アンビソニックも注目を集めている」としたうえで、こうした新しいオーディオの体験では、インタラクティブ性がキーとなり、「VRなども視野に入れた。技術的な発展性のある研究開発を進めている」と話していた。
試作機は東京大学の3DPATCと協業して制作。3Dプリンターを活用し、展示した7台のスピーカーをスピーディーに作ったという。
Cear pavé 2nd Generationは、GREEN FUNDINGで本日から12月27日までプロジェクトの支援を受け付けている。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります