◆メルセデスのEVにフラッグシップSUVが追加!
カーボンニュートラルな世界を目指す今、次世代自動車の中心的な存在として、世界中の自動車メーカーが注力しているのが、電気自動車(BEV)だ。その中で、積極的にラインアップの拡大を図っている自動車メーカーのひとつが、ドイツの老舗「メルセデス・ベンツ」。現在、セダンとSUVを展開しているが、なんと人気のSUVに関しては、コンパクトからラージまでフルラインに近いラインアップを誇る。そのフラッグシップSUV「EQS SUV」が、日本上陸を果たしたのでレポートしよう。
「EQS SUV」は、メルセデス・ベンツのEV「メルセデスEQ」のSクラス級SUVで、最上位モデルに相応しい快適性と機能性、そして高いEV性能が挙げられる。それを可能としたのが、大型EVを想定したEV専用プラットフォーム「EVA2」の存在だ。ベンツEVの上級モデルのみに使用され、広い室内空間と大容量バッテリーの搭載を可能としている。
最上位SUVだけに、ボディーサイズは、全長5130×全幅2035×全高1725mmという堂々たるもの。ホイールベースも、3210mmと長い。エンジンを持たないEVは、専用設計ならばボンネットを短くでき、その分ホイールベースを拡大できる。その結果、車室が広がるだけでなく、鼻先が短いので見切りも良くなるのだ。
スタイリングでは、フロントマスクの開口部を最小限とし、巨大なブラックグリルパネルを採用することで、EVであることを強調。そのパネル面には、巨大なエンブレムの周囲に、ベンツの象徴であるスリーポインテッドスターが散りばめられている。まさに一目でベンツと分かるデザインだ。さらに前後ライトに採用される水平基調のランプデザインも、EQのアイコンのひとつであり、エンジン車のベンツとの差別化を図っている。デザイン面でも、エネルギー効率が意識されており、アルミホイールは、開口部を最小化したパネルが組み合わされ、ドアハンドルは電動格納式に。さらに各部のエアロパーツの働きもあり、Cd値(空気抵抗)は、0.26に抑えられている。また、静かなEVだけに走行中の風切り音を抑える対策も万全だという。
ロングホイールベースが生む広い車内空間では、なんとEVでは珍しい3列7人乗りを実現しているのも、同車の強みのひとつ。特に2列目シートは、VIP送迎車に使えるほどの広さだ。3列目シートは、ミニバンほどの空間的ゆとりはないが、乗降性を高めているほか、シートヒーターも内蔵するなど機能性も追求されている。またラゲッジ容量は7人乗り時で195Lとなるが、5名乗車時なら最大880Lを確保。後席をすべて倒せば、最大2100Lまで拡大するので、かなり使い勝手は良い。
運転席周りでは、EQの上位モデルのみに採用される「MBUXハイパースクリーン」に驚かされる。なんとダッシュボード全体が、画面になっているのだ。まるで未来の宇宙船のコクピットである。正確には、液晶メーターパネル、中央のインフォメーションディスプレイ、助手席専用モニターの3つで構成されている。
特筆すべきは、助手席専用モニターで、機能の操作に加え、走行中にTVを見ることもできる。助手席の人の楽しみは増えるが、それだとドライバーも、ついTVに気を取られてしまうのではと思うだろう。しかし、安全対策は万全。なんとクルマが、ドライバーの視線を検知し、助手席側モニターを見ていると判断すると、即時に映像がオフになる仕組みなのだ。つまり、走行中にドライバーはTVを見ることができない。また先進的なコクピットを演出すべく、スイッチ類は最小限となっており、操作系はステアリング周りに集約。詳細な車両設定は、画面上でできる。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります