ベーシックモデルのiPhone 15/Plusに
Dynamic Islandがキタ!
12日(現地時間)、Appleは新型iPhoneと、新型Apple Watchの発表会を開催。「iPhone 15/Plus」「iPhone 15 Pro/Pro Max」「Apple Watch Series 9」「Apple Watch Ultra2」を発表した。Watchの詳細は別記事を参照にしてほしい(新「Apple Watch Series 9」画期的な指先操作に!)
発表会ではiPhone 15にDynamic Islandが採用されたことが説明された。すでに前モデルのProシリーズに搭載されていたが、今回はすべてのラインナップに搭載された。より電話に出やすくなったり、音楽の操作が簡単にできるようになったとアピールした。デモンストレーションではピザの配達を追跡しながらスポーツの試合を確認したり、飛行機に乗るときに搭乗ゲートや搭乗時刻を確認していた。
ラインナップは6.1型(2556×1179ドット)のiPhone 15、6.7型のiPhone 15 Plus(2796×1290ドット)と、前モデルと変わらない。ディスプレーの輝度は2000ニトへとアップし、屋外での視認性が大幅に上がっているようだ。背面パネルはメタリックイオンを使って素材の基盤自体に色を組み込んだカラーインフューズドガラスをスマートフォンで初めて採用したという。カラーを細かくコントロールして、ピンク、イエロー、グリーン、ブルー、ブラックの5色が用意された。さらにこの背面ガラスをナノクリスタル粒子で磨き、エッチング加工を施して質感を高めていると説明した。
Appleは2030年までにカーボンニュートラル製品化を進めるため、本体には75%の再生アルミニウムを使用し、バッテリーには100%の再生コバルトを使用していると、Appleのエコに関する取り組みも紹介。
カメラは48MPのメインに12MPの超広角の2眼構成。0.5×、1×、2×の3段階光学ズームが可能な2倍望遠がついて、さらに暗所撮影がより強力になった。センサーシフト手ぶれ補正も搭載する。
大きく変わったのは、ついにLightning端子からUSB Type-Cが採用されたこと。また、前モデルでProシリーズのみ採用されていた「Dynamic Island」が、iPhone 15/Plusにも採用され、より利便性があがったこと。SoCはA16 Bionic(前モデルのProシリーズに採用されていたもの)が採用され、より処理性能が上がった。
そのほか、超広帯域無線チップの性能があがり、落とし物を捜す以外に人混みの中で友達を探しやすくなった。また、衛星インフラを基盤にしたロードサイドアシスタントも搭載されたので、外出先でクルマのトラブルが発生したときに、ロードサービスにすぐ繋ぐことができるが、残念ながら日本での展開は未定だ。
そして満を持して、iPhoneもLightning端子からUSB Type-Cに変更されたことが発表された。
チタニウムやレイトレーシングなど
ソフトもハードも進化したiPhone 15 Pro/Pro Max
次に発表されたのはiPhone 15 Pro/Pro Max。サイズは6.1型と6.7型で前モデルから変わらないのだが、デザイン、カメラ、パフォーマンスが大きく進化したと、ティム・クックが語った。
最初にグレード5の強度を持つチタニウムを使ったデザインが発表された。チタニウムは非常に頑丈で軽いため、Proシリーズ史上最も軽くなったという。そしてiPhone史上最も細いベゼルも実現し、ディスプレーのサイズを変えることなく本体サイズを小さくすることに成功している。新しいデザインと軽量化でProシリーズはよく手になじむそうだ。
カラバリはブラックチタニウムとホワイトチタニウム、ブルーチタニウムとナチュラルチタニウムの4色が用意される。
デザイン面の大きな変更はもう1つ、初期iPhoneからあるサイレントスイッチは、カスタマイズ可能なアクションボタンとして生まれ変わった。たとえばカメラやライトなどを割り当てることもできる。デフォルトでは今まで通りのサイレントスイッチだが、ボタンを押して切り替えられる。なお、ボタンはそれぞれの状況に合ったハプティックフィードバックを感じられるというから、楽しみだ。
ディスプレーは前モデル同様「ProMotion」が採用された。リフレッシュレートも120Hz高く、今回チカラを入れて紹介していたレイトレーシングとあいまって、ゲーミング機能が強力になりそうだ。なお、無印iPhone 15/PlusにはProMotionは使われていない。
SoCの紹介ではA17 Proという、新しいSoCの名前が飛び出した。業界初の3nmのチップセットで、その性能は最大で35兆の演算ができるなど、デスクトップPCにも迫るという。
iPhone 15/Plusと同じくUSB Type-Cを採用したが、ProシリーズはUSB 3で最大10Gbpsの転送速度を実現する(iPhone 15/ProはUSB 2)。
このあとは、GPUパワーが20%上がったという説明を皮切りに、レイトレーシングに対応したり、バイオハザードがiPhoneで遊べるようになったりと、ここ数年では珍しくゲーミング機能にチカラをいれて紹介していた。iPhoneは世界で最も優れたモバイルゲームプラットフォームだと宣言したが、その言葉にふさわしい性能が詰まっているのは確かだ。
カメラの説明では48MPのメインと12MPの超広角、12MPの望遠という3眼構成はかわらないが、センサーシフト手ぶれ補正が第2世代に進化。光学ズームはProが3倍、Pro Maxが5倍になった。また、無印iPhone 15よりも大きなセンサーを搭載しているので、より低照度のポートレートなどに強くなっている。
最後にApple Vision Proとの連動も予告し、2023年のiPhone発表会は幕を閉じた。
今回は冒頭にエコに関するドラマを入れるなど、カーボンニュートラルに注力しているApple。終わってみればみれば、WatchとiPhoneだけのシンプルな発表会だったのも、無駄に電気を使わせないよう、エコのためだったのかもしれない。
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