【前編】クランチロールCOO ギータ・レバプラガダ氏ロングインタビュー
世界のアニメファンに配信とサービスを届けたい、クランチロールの戦略
〈後編はこちら〉
■世界で一番アニメファンに近い配信会社
今、日本のアニメ業界に大きな影響を与えているのが「海外の配信会社」だ。コロナ禍以降、世界各地に配信サービスが普及したことにより「日本アニメ」ジャンルは世界中の人々に視聴される人気コンテンツになった。
日本アニメ産業2兆7422億円のうち、海外市場は1兆3134億円。映画ジャンルも含めると、すでに日本アニメの半分は海外で売れているのだ。
アニメ業界にとって福音とも言える海外の配信会社。特にアニメに強いのがNetflix、Amazon Prime Video、そして2019年にディズニー社が設立したDisney+の3社だ。
彼らは世界各国に配信網を構築し、会員獲得の呼び水となる人気作品の配信権獲得や、オリジナル作品の制作に意欲的だ。3社の会員獲得競争が激化し「領土拡大」路線に疲弊も見えるなかで、実はもう1社、海外アニメ配信に重要な企業がある。
それが北米発の配信会社「クランチロール」だ。
2006年に、日本アニメ好きのアメリカ人が設立した同社は、「アニメファンのための企業」という経営方針を採ってきた。2021年にはソニーグループ傘下に入り、ソニーGが掲げるコンテンツ戦略の柱の1つとなった。『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』最終回と同時刻にタイムズスクエアを全面広告でジャックするなど、話題にも事欠かない。
配信地域200の国と地域。会員数1億2000万人(2021年8月現在)。今や同社は「日本アニメの海外進出」において欠かすことのできない存在だ。
今回、同社チーフ・オペレーティング・オフィサーのギータ・レバプラガダ氏に取材する機会を得た。配信のみならず、アニメ製作、ゲーム、映画配給、グッズ海外展開と多岐に渡る世界戦略をうかがった。
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