家族それぞれが時間を使って家事を進める
たとえば、ドラム式洗濯乾燥機では、乾燥フィルターをなくし、お手入れの手間を軽減する「らくメンテ」を搭載している。
「利用者の声を聞くと、日々のフィルター掃除が課題となっていることがわかった。ここを徹底的に省力化することで、月に1回、掃除するだけで済むようにした」という。困りごとを解決するための機能に力を注いだ例だ。
また、冷蔵庫に搭載している「冷蔵庫カメラ」も、家事をシェアするという新たな生活スタイルに適したものだと語る。
「かつては、料理はお母さんがやるものだと考えられていたが、生活の多様化によって、お父さんも料理をするようになった。だが、そうなると新たに生まれる課題がある」と指摘。「冷蔵庫の中身は、お母さんが連続性を持って、管理していた。だが、お父さんも料理をするようになると、冷蔵庫の中身の管理も共有する必要が出てくる。その課題の解決の鍵を、冷蔵庫カメラが握ることになる」とする。
扉を開けると冷蔵庫カメラで自動的に庫内を撮影。この画像をスマホアプリでチェックしながら、足りなくなった食材を忘れることがないように購入できる。
同様に軽量化を追求したコードレススティッククリーナーも、家事のシェアに重要な役割を果たすという。
「誰かが掃除をするというのではなく、家族それぞれが空いた3分間を使って、掃除機をかけるというのが新たな生活スタイルのひとつ。それを実現するには、軽さが絶対条件になる。ほうきやクイックルワイパーなどのように、手軽に掃除できる存在になれば、掃除という家事をシェアしやすい」
スティッククリーナーでありながら、紙パックの採用によって、ごみ捨てを2カ月に一度にしたり、ヘッド部に、緑色のLEDライトを加えた「ごみくっきりライト」を採用することで、「ゴミが感動するぐらいに良く見え、掃除の達成感にもつながる」と大隅社長は笑う。これも家事をシェアする動きにつながるとみる。
「洗うこと、乾かすこと、掃除するといった機能だけでなく、日々の手入れにもフォーカスし、面倒なことを解決できるようにしている。これからも、日本のメーカーならではの細かいところに配慮したモノづくりを行い、多様化する新たな生活スタイルに対応し、生活を豊かなものにする支援をしていく」と、モノづくりの姿勢を示す。
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