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冨林勇佑、SUPER GT夏の鈴鹿はトラブルも「久しぶりにちゃんとレースできた」

SUPER GT

 2023年のSUPER GT 第5戦「SUZUKA GT450km RACE」が8月26~27日に鈴鹿サーキットで行なわれ、5号車「マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号」は途中まで上位を狙えるような位置で走行するも、マシントラブルにより残り17周でレースを諦めることとなった。それでも冨林からはポジティブなコメントが聞こえた週末となった。

 前回の第4戦富士から3週間。真夏の連戦第2ラウンドということで、舞台を鈴鹿サーキットに移して後半戦最初のレースに臨んだ冨林。今回も公式練習から気温30度を超える真夏のコンディションで走行した。ちなみに、GT500やGT3の車両にはエアコンが付いているのだが、冨林の駆る86マザーシャシーは“クールスーツ”という昔ながらのシステムを採用している。車内に氷を積んで、そこでできた冷たい水をチューブがついたアンダーウェアに流して体を冷やすというものだ。

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元阪神の糸井嘉男選手も応援に駆けつけた!

予選は5月以来のQ1突破で12番グリッドを獲得

 今季はトラブルが重なり思うように結果を残すことができていない5号車。今回こそはという意気込みで鈴鹿にやってきたが、公式練習ではシフト関係のトラブルが発生し、満足いく走行ができず。問題となっているであろうパーツを交換するなど対処したが、症状は改善しなかった。ピットで作業を見守る冨林も不安な表情をみせていた。

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 チームの懸命な作業により、なんとか予選までに修復が完了。「普通に走れればQ2にはいけると思う」と語っていた冨林がマシンに乗り込みQ1アタックに臨んだ。その言葉通り、B組で1分59秒928をマークし、7番手通過を果たした。今季は予選で苦戦していることが多く、チームとしても5月の第2戦以来のQ2進出。そして何より、午前のトラブルから挽回してのQ1突破にチーム内からも笑みがこぼれた。

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 続くQ2ではチームメイトの松井孝允がマシンに乗り込みタイムアタックへ。Q1の冨林のタイムを上回る1分59秒784で今季ベストとなる12番グリッドを手にした。

 GT300クラスのポールポジションは、クラス唯一の1分57秒台を叩き出した61号車「SUBARU BRZ R&D SPORT」が獲得。このときドライブを担当した山内英輝選手はGT300クラスのポールポジション回数で単独トップの14回目を記録したのだった。

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最多ポールに盛り上がる61号車の井口卓人選手(中央左)と山内英輝選手(中央右)

路面温度50度を超える決勝
変則的な作戦に打って出る

 日曜日の決勝レースも真夏日となり気温33度、路面温度50度という今季一番の暑さの中で450kmレースが始まった。12番手スタートの5号車は冨林がスタートを担当。序盤にひとつポジションを上げると、5周目に1回目のピットストップを消化。変則的な作戦で上位を狙っていく作戦に出た。

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 ピットストップ以降は淡々と好ペースを刻んで周回を重ねていく予定だったが、1回目のピットストップが5周目以降というルール変更が意外と効いているようで、ピットアウト直後は予想以上にタイヤの内圧が上がってしまい、思うようにペースを上げられなかった。

 それ以降も順調に周回を重ねるも、10周を過ぎたところでアクシデントによりFCY(フルコースイエロー、全車追い越し禁止)が導入。ここで逆にタイヤの内圧が下がってしまい、再開後のペースアップに苦しめられた。

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 レース中盤からはタイヤの内圧管理が難しかったようで、満足いくコンディションではなかったようだが、その中でもライバルと接戦を繰り広げた冨林。一時は8番手まで浮上し、ポイント圏内の可能性も高まった。

 そんな中、コックピットでは別の問題も起きていた。クールスーツが正常に機能せず、冨林は灼熱の中でマシンを走らせていたのだ。気温30度を超えているなかでクールスーツなしで走るのは大変なことなのだが、普段からトレーニングを欠かさない冨林は、自身のスティント分をしっかりと耐え抜き、34周を終えたところで2度目のピットイン。松井にバトンタッチした。

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 後半も粘り強く追い上げていく予定だったが、ライバルたちも息を吹き返し少しずつ劣勢な展開となる。それでもゴールに向けて粘り強く周回を重ねていたが、前日の公式練習で発生したトラブルが突然再発し、残り17周のところでピットイン。21位で完走扱いとなったが、チェッカーを受けることはできなかった。

 今回も悔しい結果に終わった5号車だが、冨林は内容面で前向きに捉えている様子。「僕としては久しぶりにSUPER GTでレースができたなという感じです。途中追い抜きすることもできました。トラブルは残念ですけど、個人的にはポジティブに感じています。いつもは後半に乗るのですが、今回は先にスティントを担当したことで、次回以降に向けて改善したい部分も浮き彫りになりました。次のSUGOが一番のチャンスだと思っています。松井選手もSUGOはめちゃくちゃ得意なので、勝てるように頑張ります」とコメントした。

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 なお、レース自体はFCY直前のピットインでうまく上位に躍り出た18号車「UPGARAGE NSX GT3」が1位、同じくFCYを利用したピットインでアドバンテージを築いた87号車「Bamboo Airways ランボルギーニ GT3」が2位、ポールスタートから表彰台を死守した61号車「SUBARU BRZ R&D SPORT」が3位という結果になった。シリーズランキングは18号車がトップの40ポイント、2位は同ポイントで7号車「Studie BMW M4」(ただし荒選手のみ)、3位は56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」の38ポイントになっている。

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18号車「UPGARAGE NSX GT3」

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87号車「Bamboo Airways ランボルギーニ GT3」

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61号車「SUBARU BRZ R&D SPORT」

 次回は9月16~17日の第6戦スポーツランドSUGO。サクセスウェイト0kgで迎えられるだけに、上位進出に期待したい。

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