ナイスモバイル株式会社 高学軍社長ロングインタビュー
「MAXHUB製品は日本専用チューニング&ローカライズ済」ナイスモバイル高社長
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MAXHUB製品を開発するCVTE社を訪問した
ナイスモバイル・高社長に聞いてみた!
2023年、WEB会議関連ソリューションの注目ブランドと言えば「MAXHUB」だ。日本ではIFP(インタラクティブ・フラットパネル)「オールインワンミーティングボード」のほか、WEB会議向けサウンドバー「Sound bar」シリーズ、そして小スペース向けの「WEB会議フルパッケージ」さらに先日予約が開始された「MTRシリーズ」などが著名だろう。
そのMAXHUB製品を日本で販売しているのがナイスモバイル社。MAXHUB製品は中国・CVTE社で開発されているのだが、2023年7月にナイスモバイル代表取締役の高学軍氏をはじめ同社スタッフは開発・製造の現場を訪れたとのこと。
そこで今回は、現地を訪問した高社長にMAXHUB製品にまつわるさまざまなお話をうかがってみた。なお、インタビューは中国・広州のCVTE社ラボと筆者宅をオンラインで結び、WEB会議形式で実施したものである。
日本向けにチューニング済の製品が出荷されるので使い勝手◎
―― MAXHUB製品の導入を検討している方々にとって、まず気になることは「国内特有のオフィス事情に適しているのか?」だと思います。
高社長 実は、MAXHUB製品は製造段階から日本向けにチューニングしたうえで出荷されています。実際、お客様の反応も非常に良く、体感ですが製品を触っていただくと7割ほどのお客様が購入を決断されます。
ただ、中国で生産していることをお伝えすると、やはりセキュリティ関係に不安を感じるようです。しかし前回のCVTE社デイビッド氏のお話にもあった通り、セキュリティについての心配はありません。
もちろん不安に感じることは理解できます。ですから弊社ではお客様のご要望につきまして、CVTEと調整しながら1つ1つ解決しています。
たとえばQRコードで生成されたファイルは一時的にクラウドに保存されますが、MAXHUBはISO27001やISO27701、GDPRの要件を満たす情報セキュリティ認証を取得しています。
また、USBメモリーの接続をはじめとして、許可/不許可のように設定画面から無効にできる機能も多数ありますので、お客様の心配事もカバーできると思っています。
日本のお客様はデータの安全性を重視します。実際、MAXHUBのクラウドサーバーにデータをあげるのをためらうお客様が多いのも事実です。
ですがMAXHUBはISOに従ってデータを厳しく管理しており、お客様により安全に、より安心してMAXHUBをご利用いただくために、お客様の社内にデータを保管できるサービスも開発しました。
今後も日本ユーザーの声をしっかり反映してサービスを提供し続けていきます。
PSEや技適にも適応済なので安心
―― 日本向けの製品はどういった部分に気を使っているのでしょうか?
高社長 日本向けは船便での輸送もあり得ます。その場合、海上運送時の湿気の影響を鑑みて、梱包を厳重にしたり乾燥剤を多用したりといった対策をとっています。
また、大きく宣伝はしていないのですが、リサイクル可能なダンボールを梱包材として採用し、また梱包サイズもできる限り小さくしています。これは船便の1コンテナ当たりに積載できる製品数をできる限り多くすることで、運送コストのほか環境への影響を小さくすることを目指しています。
―― 製品の製造工程で、日本向けと他国向けで違いはあるのでしょうか?
高社長 まさに先ほど生産ラインを見学して確認してきたところです。組み立て工場自体は他国向けと同じ場所ですが、随時ラインを切り替えることで日本仕様と他国仕様の製造を実現していました。
日本向けの場合、たとえばPSE(電気用品安全法)に従った仕様に変更したり、無線機能が規制を逸脱しないようチューニングしたり、あるいはバックライト部などに関しては日本国内の特許に抵触しない部品に変更したりと、他国向け製品とは異なる作り方をしています。
製品の仕様については、開発の段階からCVTEと一緒に協議をしながら進めており、特にローカライズについては力を入れています。
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