週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

中林俊也(ジャズサックスプレイヤー)「横浜発!進み続ける若きミュージシャン」

2023年09月05日 13時00分更新

 こんにちは!横浜みなとみらいホール広報チームです。

 あっという間に8月も終わり。今年のみなとみらいエリアの夏休みは、ポケモンのイベントで大盛り上がりでしたね。

前回の記事はこちら:
新井鷗子(横浜みなとみらいホール館長) 「横浜の街づくりを音楽で」

 横浜みなとみらいホールでは、8月の上旬に「みなとみらい遊音地(ゆうおんち)」というイベントを開催しました。ホールを音楽の遊園地に見立てて、オペラやオルガンのワークショップ、ピアノや管・弦楽器のコンサートなどバラエティ豊かなプログラムを実施。みなさんにさまざまな音楽に触れていただきました。

 さて、このコラムでは、横浜みなとみらいホールと繋がっている人のお話しを通して、ホールや横浜の魅力に迫ります。

 2023年5月でホールが開館25周年を迎えた事にちなみ、全4回の連載期間中、合計25個のトピックを聞いていきます。

 第2回目となる今回は、ジャズサックスプレイヤーの中林俊也(なかばやし・しゅんや)さんにお話しを伺いました。

 中林さんは、当ホールで2013年に結成された中高生によるジュニア・ビックバンド「みなとみらいSuper Big Band(以下、Super Big Band)」の出身。

 国立音楽大学を卒業後は国内を中心に精力的な音楽活動を行い、ジャズシーンの期待の新星として注目されています。

 また、現在はSuper Big Bandの指導にも携わっています。

【6】サックスをはじめようと思ったきっかけは何ですか?

 一番の影響は父親ですね。

 小学校低学年の時にサッカーをやっていたんですけど、4年生いっぱいで辞めたんです。

 それで、「次に何をやるか?」ってなった時に、サックスが出て来ました。

 ちょうど小学校3・4年生ってリコーダーの授業がはじまるタイミングで、それが意外に楽しかったんですよね。リコーダーとサックスって指の動きが似ているので。

 あとは、父親が持っていた『ルパン三世』のDVDをよく見ていて、オープニングがジャズだったので、ちょっと馴染みがあって。

 父親としては、本当はトランペットをやらせたかったみたいなんですよ。笑

 それで、ルパンの30周年コンサートのライブDVDを持ってきて、「トランペット、カッコいいだろ?」って見させられたんですけど、その時のテナーサックスがすごくかっこよくて、「やっぱりサックスをやりたい!」と思いました。

 本当はテナーサックスをやりたかったんですけど、当時は結構身体が小さかったので楽器が持てなくて……。

 それでひと回り小さいアルトサックスを習い始めました。

【7】みなとみらいSupe Big Bandの活動の中で印象に残っていることはありますか?

 一番思い出に残っているのは、高校3年生(2015年)の11月にあった熱帯JAZZ楽団との共演※ですね。それがSuper Big Bandに入った目当ての一つでもありました。

 当時はもう既に、「将来はプロとして活躍したい!」と思っていたので、「プロのミュージシャンってどんな感じなんだろう?」と思いながら臨んだのですが、やっぱりすごかったですね。

 リハーサルの時、プロのミュージシャン同士が音楽の表現の仕方で真面目に言い合いをしていて、それがすごく印象に残っています。

 本番では、熱帯JAZZ楽団の定番ナンバー《スペイン》と《セプテンバー》の2曲に参加しました。

 《セプテンバー》で僕はずっとソロを吹いていたんですけれど、アルトサックスの藤陵雅裕さんとソロバトルをしたのが思い出です。藤陵さんの定番フレーズがあって、それを全部覚えて、本番で藤陵さんより全部先に吹くっていう……我ながらすっごく生意気ですよね。笑

 だけど、聞きたかったことも色々聞けたし、良い経験になりました。

※2015年11月29日開催「熱帯JAZZ楽団」公演(会場:横浜みなとみらいホール 大ホール)

【8】音楽以外に趣味や特技はありますか?

 中学3年間は陸上部に所属していました。

 両親からも肺活量を鍛える為に「長距離走をやってみれば?」って言われて。サッカーをやっていた時もとにかく走り回っていたので、学校内では体力がある方だったんです。

 あまりスポーツが強い学校ではなかったので、マラソン大会では3年連続1位を獲ったりしていました。

 学生時代は、朝練に行って、授業受けて部活やって、18時頃に帰ってきて、サックスを吹いて、ご飯食べて、またサックスを吹いて、眠って……みたいな日々の繰り返しでしたね。

【9】ホール周辺のおすすめスポットはありますか?

 「横浜ワールドポーターズ」はめちゃくちゃ行っていました!

 みなとみらいに通っていた当時は高校生だったので、授業が終わってSuper Big Bandの練習前に時間潰しに行ってました。

 あとは、Super Big Bandのメンバーの子たちと、みなとみらいから横浜駅に歩いて帰ったりしていました。みんな横浜駅で乗り継いで練習に来ていたので。

 本当はロープウェイ(「YOKOHAMA AIR CABIN」)とか乗りたいですし、ガンダムも見に行きたいです!

 このエリアで言うと、関内・日本大通りエリアはライブハウスが多いですよね。

 僕が出させてもらった事があるのが、「A.B.SMILE」。それから、「横濱エアジン」というお店では、Super Big Bandを指導している熱帯JAZZ楽団の青木タイセイさんが出ているイベントで吹かせていただいたりもしました。

 そう考えると、関内方面に行く機会が多いですね。オススメですし、好きな人は好きな場所だと思います。

【10】今、力を入れて取り組んでいる事は何ですか?

 自分がリーダーを務めているバンドがあるので、それをどうやって広げていくかが課題です。

 演奏活動の幅もそうですけれど、ステージのサイズもゆくゆくは広いところでやってみたいですよね。

 今は渋谷の「BODY & SOUL」というジャズクラブをメインにライブ活動をしているのですが、そこでやっている事を色々な会場でやってみたいです。ツアーもやりたい。

 あとは、アメリカ・ニューヨークに行ってみたいです。今は物価が高いけれど……。

 本当は卒業してすぐにフランスに留学する予定だったんですが、コロナ禍に入ってしまって。それでも日本に比べて規制が緩かったので「このままだったら行けるんじゃないか?」とも思ったんですが、一緒に行こうとしていた子が「止めようか」と行ってきたので、このタイミングでは諦めました。

 でも、当時は日本にいても営業時間が短いお店が多くて、満足いくほど演奏活動が出来る訳ではなかったので、社会人のビッグバンドの指導に行ったりしていました。

 卒業して1年目は、ちょっとあった貯金や支援金などでやり繰りしながら生活していましたね。

 そんなコロナ禍でも、不安に思う事はあまり無かったです。

 社会へ出ていくには少し力が足りないと感じていたところに練習する時間が出来たので、学生の時間が少し伸びたイメージですね。

 コロナ禍も落ち着いて、やっと今、やりたい活動ができるようになってきました。

 もうライブハウスで客席が満席になっても、誰も何も言わないですしね。

【11】25年後はどのような活動をしていると思いますか?

 ずっと音楽を追求し続けていたいです。ミュージシャンは止まったら終わりだと思うので。

 25年経ったら僕は50歳でしょう?サックスを始めて40周年くらいですよね。

 今のペースできちんとやっていけば、どこまででも行けます。ミュージシャンは寿命も無いですし。

 進み続けた先で、全ての規模が今とは全然違うような存在になっていたいですね。もっと多くのお客さんに音楽を届けたいと思っています。

 ジャズって、なにか熱くなれるものがある音楽だと思っていて、それを共有できるのがすごく良いんだろうなって。

 僕らはお客さんに向けて演奏をしますけれど、それがきちんとお客さんに届いた時に、すごいものが返って来るんです。そのサイズ感がどんどん大きくなっていって、もっと沢山の人と音楽の良さや、音楽が好きという気持ちを共有できたらいいな。

 あとは日本に留まらず、海外でも活動したいです。

 日本で音楽が好きな人たちと関わるのも好きですけれど、色んな国には色んな人がいて、一人ひとり個性があって、そういう人たちと出会えたら幸せなんだろうな、と。

 そのためには、音楽をやり続けて、追及し続けて、プレーヤーとして一流にならなければいけないので、今はとにかくひたすら進む!という感じですかね。

【プロフィール】
中林俊也(なかばやし・しゅんや)
 1997年神奈川県生まれ。10歳の頃よりジャズサックスを始め、高校時より都内ライブハウスで演奏活動を始める。2016年、国立音楽大学Jazz専修に入学。ジャズサックスを池田篤氏、クラシックサックスを坂東邦宣氏に師事。
 3年次にはJazz専修の授業ビッグバンドGemstones Jazz Orchestraでコンサートマスターを務める。小曽根真氏presents JFC all star big bandに選出され、2018年東京ジャズに出演する。
 2019年 3月には、自己のリーダートリオで名古屋、大阪、金沢、富山、東京のツアーを成功させる。
 2020年3月、国立音楽大学ジャズ専修を首席で卒業。矢田部賞受賞。
 2021年1月に、稲城市で行われた小曽根真 Friday Jazz Club Day & Night にFrom OZONE Till Dawn(旧:Riging Star)としてゲスト出演する。
 同年8月には小曽根真 “OZONE 60 in Club” New Project “From OZONE till Dawn” / PartIII. Makoto Ozone New Project Bandメンバーとして、Welcome to BLUE NOTE TOKYO in Your Living Roomの無観客配信ライブ、9月には有観客でのライブを成功させ、Blue Noto Tokyo への出演を果たす。 また小曽根真グループのメンバーとしてゲストに小野リサを迎える国内ツアーにも参加。

【中林俊也さんとみなとみらいSuper Big Bandの出演情報】

■NHK横浜放送局 はま☆キラ! Special Jazz Live
横浜ジャズプロムナード連携企画 公開スペシャルジャズライブ
 みなとみらいSuper Big Band×中林俊也(サックス)
日程:2023年10月7日(土) 14:00開演
会場:NHK横浜1F
詳細はこちら

★みなとみらいSuper Big Bandについて、詳しくはこちらをご覧ください。

【横浜みなとみらいホールからコンサートのお知らせ】

■みなとみらいランチタイムコンサート
 加耒 徹(バリトン)
日程:2023年10月3日(火) 11:30開演
会場:大ホール
料金:全席指定 1,800円
詳細はこちら

■第4回 オルガン・1アワーコンサート
 光を待ち望んで (出演:徳岡めぐみ)
日程:2023年10月25日(水) 15:00開演
会場:大ホール
料金:全席指定 1,000円
詳細はこちら

■お城EXPOスピンオフコンサート
《都響メンバーによる》NINJA BRASS
日程:2023年11月28日(火) 14:00開演
会場:大ホール
料金:全席指定 2,800円
詳細はこちら

その他にも様々なコンサートを開催予定!
詳しくはホールのWEBサイトをご覧ください。

 【執筆者プロフィール】

 横浜みなとみらいホール広報チーム
WEBサイトの管理や広報誌の編集からチラシの整理まで、なんでもこなす3名からなるチーム。地下にある事務所からホールに関する情報を発信しています。
(アイコンはホールのマスコットキャラクター・みなトラくん)

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事