ドリフト競技の国内最高峰、D1GPの2023年シーズン第5~6戦が福島県・エビスサーキットで行なわれ、ASCII.jpが応援するTeam TOYO TIRES Driftの#88 川畑選手が第5戦を、#66 藤野選手が第6戦を優勝と、今大会を完全制覇の2連勝しました! 夏のエビスを盛り上げたTeam TOYO TIRES Driftの活躍をレポートします!
D1エビス戦の見どころ
全10戦で争われる今年のD1グランプリ。シーズンも折り返しとなる戦いの舞台はエビスサーキット西コースです。コースの一部を使った下り基調のレイアウトで、見どころは140km/h台で入る1コーナーへの飛び込みと、ややバンクのついた最終コーナー。なかでも最終コーナーとスタンド席の距離の近さはシーズン屈指! ドリフトを生で感じたい方は、ぜひエビスに足を運んでください。
例年この時期のエビスは赤トンボが数多く舞い、安達太良山系からの涼風とともに秋の訪れを感じさせるのですが、今大会は真夏の陽気の中での開催! さらにD1の登竜門といえるD1ライツ戦も併催もあって、サーキットはいつも以上の熱気に包まれていました。
【第5戦・単走】藤野選手が単走優勝! 川畑選手も4位と好調
土曜日12時前から始まった追走トーナメント出場権をかけた単走決勝。藤野選手はAグループ、川畑選手はBグループからの出走となりました。
藤野選手は計測システム(DOSS)の特性を完璧に理解した走りで、1本目は98.03、2本目に98.39を記録。いきなりトップに立ちます。
川畑選手は1本目に97.62を出して安全圏に入ると、2本目はゾーンをかすめるような走りで98.21。点数を伸ばして順位を上に上げます。その後も藤野選手の2本目を上回る選手は現れず、藤野選手の単走優勝が決まりました。
【第5戦・追走】川畑選手が1年ぶりの総合優勝!
藤野選手5位で終わるも「明日は優勝する」と宣言
午後3時頃から始まった追走トーナメント決勝。藤野選手のベスト16戦の対戦相手は、ベテランの#52 北岡裕輔選手。
単走順位が上位の藤野選手が先行の1本目、藤野選手はゾーン1が不通過の減点2が入るものの、安定感のあるドリフトで95点。北岡選手は1コーナーまで常にピタリとつけるものの、立ち上がりでドリフトが戻る大きなミス。その後、巻き返して9ポイントの後追いポイントを獲得するも、83点にとどまりました。
藤野選手後追いの2本目。北岡選手が1コーナーの飛び込みでハーフスピン状態に。すぐ近くに寄せていた藤野選手は、クルマを止めることができず右フロントタイヤ付近が接触してしまいました。北岡選手のミスという判定で藤野選手の勝利となったのですが、急ぎステアリングラックを交換ということに。
藤野選手ベスト8戦の対戦相手は、後追い巧者の#99 中村直樹。GR86対決となりました。
藤野選手先行の1本目、藤野選手はまったくミスのない走りで97点、中村選手は藤野選手が安定した走りゆえに、安心して大胆に寄せ14点の後追いポイントを獲得。ですが、少しドリフトが浅かったりするなどで92点の走りで106点。
藤野選手後追いの2本目。藤野選手はリズムが乱れ、最初の逆振りができず、カウンターだけで1コーナーに侵入。しかし曲がりきれずコースアウト。藤野選手らしからぬミスで、追走トーナメント決勝は5位で終わりました。
川畑選手のベスト16戦の対戦相手は、昨年のシリーズチャンピオン#70 横井選手です。
川畑選手先行の1本目、ノーミスで98点の走りをする川畑選手に対して、横井選手は後追いポイントを9点稼ぐも、ゾーン1を抜けた直後にドリフトが戻るような動きをして点数が伸びずの87点。
有利になった川畑選手の後追い2本目。横井選手はゾーン1の手前からコースアウト。川畑選手は追い抜き走行を続けたところ、横井選手は最終コーナーで川畑選手につめて接触。これにより川畑選手が勝利しました。
ベスト8の対戦相手は#77 松山北斗選手。TOYO TIRES同士の対戦となりました。
川畑選手先行の1本目、逃げをうつ川畑選手はインカットとゾーン1をはみ出して減点4ながらも98点の走りで94点。松山選手は距離を詰めきれず後追いポイント8.5、さらに最終コーナーでスピンをしてしまい85.5点にとどまります。
2本目の前、横井戦での接触の影響か川畑選手はハンドルに違和感を覚えたようで、メカニックがチェックしてからの出走となりました。逃げる松山選手はゾーン減点2があったもの96点の走り。川畑選手は大人の走りで1コーナー立ち上がりから松山選手を離さず後追いポイント9点を獲得した104点で、勝負あり!
ベスト4の対戦相手は藤野選手を下した中村選手。ここはチームメイトへのリベンジをしたいところ。
中村選手先行の1本目、98点の走りでしたが、ゾーン1不通過の減点2により96点。川畑選手は中村選手のお株を奪うような後追いポイントを稼ぎ13.5。これに94点の走りが加わっての107.5点。
入れ替えての2本目。川畑選手は97点の走り。中村選手は後追いポイント15点の満点を記録するも、スタート時にフライングをしており5点減点。走りの点数も93点と低く103点。川畑選手の決勝進出が決まりました。
決勝の相手は、#11 村上 満選手。村上選手は初めての決勝戦進出で、当然勝てば初優勝。一方、川畑選手は勝てば18勝目でD1GP単独最多優勝という、見逃せない戦いです。
川畑選手先行の1本目、後追いの村上選手は1ヘアピンで詰めようとするもののコースアウト。その後復帰するものの、最終コーナーで脱輪してしまいました。川畑選手はインカット減点はあったものの、安定した走りで場数の違いが現れたようでした。
大人の走りで川畑選手がうれしい今シーズン初優勝。川畑選手の優勝は昨年のオートポリス戦以来です。
勝った川畑選手にお話を聞きました。「走りの内容的には、納得できるものは1本もなくて。単走も不発でしたし、追走も“コレだ!”というのは1回も出せてなくて。結果を聞いてラッキーというのが正直なとこですよね。あぁ勝ったんだという。横井選手との対戦の時、疲労かはわからないですけれど、ステアリングまわりは気にしつつ走っていました。なんか今日はリラックスできていましたよ」と笑顔で応えました。
単走優勝をした藤野選手。藤野選手の単走優勝も、昨年のGR86デビュー戦以来になります。「筑波の時から足回りを変更した程度ですね。練習走行からそれなりに形にはなってたんで、正直思い切ってやったというわけでもないんですけれど、今回はめちゃめちゃトラブルだらけで。優秀なメカニックのおかげでなんとかなりました。北岡選手との対戦で、ステアリングラックが壊れてしまいまして。川畑さんも壊したので、もう予備がないんですよ(笑)。明日はリベンジします。(川畑さんの方を見て)同じ優勝でもあっちに立ちたいですね!」
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