音の聞こえ方は全員異なる。本当の音はどこにある?
オーディオにおける「本当の音」とはどんなもので、どこにあるのだろうか?
このテーマには長年、さまざまなメーカーが取り組んできた。レコーディング時の音が、正確に出力されている状態。機器側の周波数特性がフラットである様。集音された“空気感”が緻密に描かれている様子。「本当」を定義することは難しい。
オーディオの響きは部屋の壁の共振の有無で変化してしまう。イヤホンなら、同じ周波数特性を持っていても、ドライバーのサイズ、タイプで印象が異なる。有線接続なら、ケーブルの品質でも電気信号に変化が現れると言われる。Bluetoothの規格も、音の減衰の加減に影響を与える。本当の音とは、一体なんだろうか?
このことを考えていると、必ず行き着く疑問がある。「聴く側の、聞こえ方に音質は左右されないのだろうか?」
答えはYESで、音の聞こえ方は、全員が同じようでいて、実は全員が異なる特性を持っている。どの音域が、聞こえやすいか/聞こえにくいかということには、個人差があるのだ。それは、生まれつきの特性によっても、成長や加齢によっても変化する。
比較的環境要因に影響を受けにくいイヤホンにおいて「本当の音」を追求するとすれば、この「個人由来の聞こえ方」を攻略するというのは、ひとつの答えになるだろう。
「個人由来の聞こえ方を攻略」などということが、できるのだろうか? そこに挑んでいるのがDenonの「PerL」シリーズだ。
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