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SHURE、第2世代「AONIC 50」発売、Snapdragon Soundや空間オーディオに対応

2023年09月01日 01時00分更新

AONIC 50 第2世代

 シュア・ジャパンは9月1日、ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンの新製品「AONIC 50(第2世代)」を発表した。9月15日に予約受付を開始。9月29日の発売。価格はオープンプライス。店頭での販売価格は5万5000円前後になる見込み。

Snapdragon Soundに対応

 AONIC 50はシュアブランド初のノイズキャンセリング機能搭載ワイヤレスヘッドホンとして2020年に発売。第2世代のAONIC 50は外観や50mmドライバーなど基本的な部分は変えず、機能を大きく改善した。周波数特性などは変えていないそうだが、チップが新しくなった関係でS/N感などが改善しているという。

AONIC 50 第2世代
AONIC 50 第2世代

 新機能はかなり多い。Snapdragon Soundに対応し、aptX Adaptiveコーデック(最大96kHz/24bit、ロスレス非対応)やBluetoothで高音質に通話できるaptX Voiceが利用可能に。また、チップ(QCC5141)の省電力化で、連続再生時間が約20時間から約45時間へと2倍以上長くなった。15分の充電で約5時間再生の急速充電も利用できる。マイクのアップグレードでノイズキャンセル性能も向上。通話用のビームフォーミングマイクにも自動ゲインコントロール(AGC)機能を追加。新機能の“空間オーディオモード”や、自分の声は聞こえるが周囲の騒音を低減して通話しやすくする“Max Aware”の追加、ハードウェアEQのサポートなどかなり多彩な機能を持つようになった。

独自アルゴリズムの空間オーディオモード

 空間オーディオモードは3種類あり、“音楽”がスピーカーのように前方に音が定位する効果、“映画”がシアターのように広い空間と重低音、聞き取りやすい台詞の再現、“ポッドキャスト”がBGM付きの配信などで声を近く聞き取りやすくするといた効果が得られる。なお、Dolby Atmosや360 Reality Audioなどへの対応という意味ではなく、ステレオソースをアーティファクト(副作用)なく自然にアップミックスするものとなる。

AONIC 50 第2世代

ShurePlay Plus

AONIC 50 第2世代

空間オーディオモードは3種類

 実機でも聴いたが、違和感なく自然に音楽や音声がアップグレードする実感があった。素の音質は低域が引き締まってニュートラルな印象なのだが、音楽モードでは頭内定位の違和感が軽減されて聞きやすくなるし、映画モードでは低域の力感が増して空間も広がるのでライブ演奏なども楽しくなる。過度に効果が付くというよりは、適切に補正されるという感覚に近いのはプロオーディオのノウハウを持つシュアならではと言えるかもしれない。

ハードウェアEQやノイズキャンセル機能の改善

 ハードウェアEQは「ShurePlus PLAY」アプリを通じてプロ仕様の“パラメトリックEQ”が利用できる機能。完全ワイヤレスイヤホンの「AONIC 215 TWS(第2世代)」などが先んじて採用しているもの。一度設定して適用すれば、アプリを問わず効果を反映できる点はハードウェアEQならではの特徴だ。実は第1世代のAONIC 50でも追加アップデートで利用可能になっていたが、演算負荷が高いLDAC使用時やノイズキャンセル最大時は非対応だった。

AONIC 50 第2世代

ハードウェアEQの設定画面

 ノイズキャンセリング用のマイクは6mmのエレクトレットマイク4基という構成自体は同じだが、異なるモジュールを採用。フィードフォワード/フィードバックを組み合わせるハイブリッド方式だ。これとは別に4mmのエレクトレットマイク2基を通話用のビームフォーミングマイクとして使用する。ShurePlus PLAYアプリでは、外音取り込みレベルの微調整ができる。ノイズキャンセルや外音取り込みはハードスイッチ(スライダー)での切り替えとなっており、スマホを出さずにスピーディーに設定変更できるのもいいところだ。なお、テレワーク時代に合わせて、ウェブ会議に入った際に自動で外音取り込みがをオンにする設定も選べる。

AONIC 50 第2世代

物理スイッチを中心とした操作になるため、確実性が高い。右端のスライダーはアプリでカスタマイズが可能。

ブラック1色の展開、ハンガーもブラックに

 細かな変更点としては、カラーがブラックのみになった。イヤーパッドなどは共通だが、ハンガーの部分も黒くなったことで精悍さが増した印象。キャリングケースも小さめとなり、旅行かばんなどに入れやすくなった。Bluetooth 5.0は電波の強いClass 1対応で通信距離も従来の10mから100mに伸びている。

AONIC 50 第2世代
AONIC 50 第2世代

左が第1世代のAONIC 50。基本的なデザインは同じだが、ハンガーが黒くなって引き締まった印象になった。

AONIC 50 第2世代

ハウジング周辺の比較

AONIC 50 第2世代

右が第2世代AONIC 50のキャリングケース。左のケースもシュアらしさがあったが大きかった。

 付属USBケーブルでパソコンに接続することで最大384kHz/32bitの再生ができる点やAAC、aptX、aptX HD、LDACコーデックへの対応などは従来機と同様。飛行機などでの利用に便利な3.5mmアナログ接続もできる。

AONIC 50 第2世代

パソコンとUSBケーブルで接続した場合、384kHz/32bitまでのハイレゾ再生が可能となる。

AONIC 50 第2世代

付属ケーブル

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