第360回
メルセデス・ベンツのEV「Mercedes-AMG EQE 53」は驚異の運動性能とモダンさを両立させた
強烈な動力性能に斬新なインテリア
EVサウンドなど驚きの連続!
メルセデス・ベンツのEVである「メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+」のハンドルを握る機会を得ました。どんなクルマなのか、その走りはどうなのかをレポートします。
今回、試乗したのは「メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+」というEVです。これは、メルセデス・ベンツのEV専用ブランド「メルセデスEQ」のモデルのひとつで、昨年9月29日に日本で発売となりました。基本モデルは「EQE 350+」で、「メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+」は、より高性能なAMGバージョンとなります。また、車格としては「メルセデスEQ」シリーズの「Eクラス」相当となります。メルセデス・ベンツはミドルセダンと呼んでいますが、日本的な目線でいえばアッパーミドルセダンと言っていいでしょう。
ちなみに昨年9月には、同時にもうひとつ上のクラスの「EQS」も発売となりました。どちらも、メルセデス・ベンツ初のEV専用プラットフォームを採用しており、客室を前側に置いたキャブフォワードデザインと、ワン・ボウ(弓)をイメージしたフォルム、シームレスデザインの「センシュアルピュリティ」コンセプトを採用しています。そのため、まぎらわしいことに、「EQE」と「EQS」は顔つきとスタイルがそっくりなのです。
ただし、よくよく2台を見比べてみると「EQE」の方が全長は短く、トランク部分が小さいというのが2車の違いとなります。具体的に言えば「EQS」の全長5225mmに対して、「EQE」は4955mmとなり、270mmの違いがあります。よりセダンらしい「EQS」に対して、「EQE」は5ドアセダン的なプロポーションになっています。
そして、スタンダードの「EQE 350+」と、AMGバージョンの「メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+」はどう違うのか。エクステリアの違いはフロント周りのデザインとホイールなど、わずかなもの。一方、パワートレインが大きく異なります。「EQE 350+」は1モーターの後輪駆動で最高出力215kW(292馬力)・最大トルク565Nmなのに対して、「メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+」は2モーターの4WDで最高出力は460kW(625馬力)・最大トルク950Nm。さらに「RACE START」モード使用すれば、最大505kW(687馬力)・最大トルク1000Nmまでのブーストが可能。スタンダードに比べて、AMGバージョンは2倍以上の出力を誇るのです。
ただし、搭載するリチウムイオンバッテリーはスタンダードもAMGも同じ90.6kW。そのため航続距離は、スタンダードの「EQE 350+」は624km(WLTCモード)に対して、AMGバージョンの「メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+」は549km(WLTCモード)。パワーがある分、75kmほど航続距離が短くなっているのです。
ちなみに価格は、「EQE 350+」が1248万円なのに対して、「メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+」は1922万円。十分に高額ですが、スタンダードに対してAMGの価格が2倍というわけではありません。
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