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ただし「利用対象13歳以上」のサービスであることに留意が必要

すでに小学生の10人に1人はChatGPT利用経験アリ

2023年08月29日 09時30分更新

小学生のChatGPTの認知・利用経験

2割が認識、そのうち7割が利用経験あり

 ChatGPT活用に注目が集まっている。では、小学生や保護者はChatGPTについてどう考えているのか。小学3年生と6年生とその保護者を対象としたベネッセコーポレーションの「ChatGPTの利用に関する意識調査」(2023年7月)を見ていこう。なお、サービスの利用対象は13歳以上とされている。

 子どもはChatGPTについて知っているか聞いたところ、「知っている」は20%、「聞いたことはあるがどんなものかわからない」は28%、「知らない」が52%だった。対象年齢外であることも手伝ってか、認知度は2割に留まっている。

 一方で、ChatGPTについて知っている子どもと保護者を対象に、子どもはどのくらいChatGPTを使っているか聞いたところ、「よく使っている」(19%)、「時々使っている」(22%)、「試しに使ってみたことがある」(28%)と、およそ7割の親子に利用経験があった。知らない子どもが多い一方で、日常的に利用している子どもも少なくないのだ。

ChatGPTを知っている子どもの約7割に利用経験

保護者の6割が利用に肯定的

 ChatGPTについて知っている保護者を対象に、子どもがChatGPTを利用することに対する考えについて聞いたところ、「積極的に使ってほしい」(12%)、「少し使ってみてほしい」(44%)と6割弱が肯定的に捉えていた。反面、「あまり使ってほしくない」(24%)、「まったく使ってほしくない」(6%)と3割は否定的に捉えていた。

 肯定的に捉えている保護者の意見は、「新しい技術の活用力を養うよい機会になりそうだから」「子どもが新しい興味に出会えそうだから」など。否定的に捉えている保護者の意見は、「自分で考えなくなりそうだから」「自分で書いて表現することをしなくなりそうだから」などだった。

 保護者は子どもに対して新しい技術を使いこなしてほしい気持ちがある一方で、自力でできなくなったり、完全にChatGPT頼みになることを恐れているようだ。

子どもの利用意向は8割以上

 子どもにChatGPTの利用意向を聞くと、「たくさん使いたい」(25%)、「少し使ってみたい」(61%)と、8割強が利用に肯定的だった。一般的に子どもは柔軟で好奇心が強く、新しい技術に興味関心を示し、使ってみたがることがほとんどだ。ChatGPTに関しても同様というわけだ。

子ども自身のChatGPTの利用意向

 大人になるほど、新しい技術に対して恐れたり、利用に腰が重くなる傾向にある。しかし全社でChatGPTなどのAI技術を導入する企業も現われており、これからは使わない時代ではなく、むしろ使いこなすことが求められるだろう。

 ただしChatGPTなどで作成したものは誤りも多いため、必ず人が確認する必要がある。また、個人情報や機密情報などを入力すると流出のリスクがあるので入力してはならないなど、注意しながら利用する必要がある。

 興味関心を持つ子に対しては、親子で利用上のルールやリスクを考えながら、一緒に使ってみるといいのではないだろうか。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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