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ドコモ回線、品質低下の一因は“通信技術”か

2023年08月16日 07時00分更新

日本で導入が遅れる「Massive MIMO」

 Massive MIMOとは、数十から数百本のアンテナがビームフォーミングや空間多重といった技術を組み合わせることで、ひとりひとりのユーザーに電波を割り当てる技術となっている。これにより、駅や繁華街など人が多いところでも、安定的に通信を提供できるようになっている。

 わかりやすくクルマと道路で例えば、従来の基地局はひとつの道路にクルマが連なって走っているが、Massive MIMOはそれぞれのクルマに対して専用の道路を用意するため、渋滞が起きなく快適な走行が可能になるというものだ(ワイモバイルのサイトより引用)。

 もともと5Gを意識した技術とされていたが、ソフトバンクなどでは、4Gのころから、先駆けてMassive MIMOを導入していた。一方で、NTTドコモも5Gでは導入実績があるようだが、4Gに関しては「検討しているところ」(担当者)に留まっているとされている。

 Massive MIMOに関してはエリクソンやファーウェイなど海外の基地局ベンダーが積極的に展開している。そうした海外ベンダーとの取引が多いソフトバンクやKDDIなどで採用が多いため、結果として安定したネットワーク品質を実現できているようだ。一方で、NTTドコモは国内ベンダーが中心であるため、自ずとMassive MIMOの導入が遅れ、いまのネットワーク品質の低下につながっている感がある。

 エリクソンによれば、ミリ波に関しては100%の割合でMassive MIMOが導入されているが、Sub6という飛びやすい電波に関しては27%に留まっている。また、海外と比べると、中国、韓国、台湾ではMassive MIMOの導入割合が70%以上、特に中国では100%に近い状態にあるにも関わらず、日本では10%しかないのだ。世界的に見ると、日本は「Massive MIMO後進国」となってしまっている。

画像:エリクソンのデータをもとに総務省作成

 後進国となってしまった理由はいくつかあるようだ。

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