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SHARP Tech-Forum

終焉に近づくムーアの法則、進化のカギは? シャープ/鴻海グループの半導体イベント

2023年08月10日 08時00分更新

国際競争で衰退した日本の半導体産業、変革と復活はあるのか

 さらに、経済産業省商務情報政策局情報産業課長の金指壽氏は、「グローバル時代を勝ち抜く半導体産業戦略の展望」として、日本の半導体産業の現状と方向性について触れた。

 金指氏は、「スピード感と継続性をキーワードに政策展開を進めている。IoT用半導体基盤の緊急強化、日米連携による次世代半導体技術基盤、グローバル連携による将来技術基盤の3つのステップによって、半導体産業復活の基本戦略を推進しており、日本の産業界が必要な半導体を供給する能力を整え、ラピダスによる日米連携による世界最先端半導体の実装に挑戦し、パッケージ技術や材料、装置といった強みを生かして、変革を日本の技術を中心に起こしていきたい」と述べた。

 政府では、JASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)に対して、最大4760億円の助成を実施。キオクシアのメモリ開発拠点に929億円、マイクロンにも465億円の助成を決定。経済安全保障に基づき、製造装置や部素材の供給責任を果たすための支援も推進しているなどを示した。

 また、ラピダスに対しては、2022年度に700億円、2023年度に2600億円を支援。北海道千歳市に製造拠点を建設する予定であるほか、IBMやImecのほか、欧米の研究機関とも連携して、2nmの次世代ロジック半導体の実現に向けた研究を進めていることを紹介。G7広島サミットの開催前日に、首相官邸において、岸田文雄首相が、半導体分野の海外企業トップと意見交換を行い、日本における半導体分野への投資の拡大策が明らかにされたほか、岸田首相からも「政府をあげて支援に取り組む」との発言があったことを紹介した。

 金指氏は、「主要各国での半導体政策が活発化しており、日本の企業が海外で活動する際にも各国の予算を活用していく必要がある。日本における海外企業との連携も拡大したい」としたほか、「大切なのは半導体を利用する産業のDXやGXを推進することである。ユーザー企業自身が半導体をどう使うかを考える時代に入ってきている。半導体政策のなかで、産業における使い方を広めることを意識したい」と語った。

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