Shinobiのバックアップ機用として
TEX「Shura」(修羅)キーボードを衝動買い
実は筆者は、前世紀にThinkPadの製品企画やブランド戦略を長く担当していた。ThinkPadと聞いて思い付く特徴は数多いが作る側、売る側、買う側の3社の一致した意見のひとつは、個性的なポインティングデバイスである「TrackPoint」だ。考案したのは当時IBMのアルマデン研究所にいた、テッド・セルカというひょうきんなおじさんだ。
TrackPointの特徴や歴史、ウンチクはネット上のコンテンツに任せるとして、トラックパッド系が苦手で使えない筆者は、TrackPointがないと何もできない。加えてキーボードは就職して初めて触れたIBM 3270のキーボードのタッチとタクタイル感、打鍵音が忘れられず、今もメカニカルキーボードが必須の融通の利かない悪い体質になってしまった。
そんな筆者の仕事での資料作成や原稿書きには、メインのパソコンとしてずっとIBMやレノボのデスクトップPC+外付けキーボードとThinkPadの2つを組み合わせて使っていた。ちょうど5年前のComputex Taipei 2018でTrackPointと大きなパームレストが特徴的な「Shinobi」(忍)を見つけてしまいハマってしまい、販売と出荷を待つことにした。
まずは2020年に入って出荷の始まった英語配列のShinobiをミーハー衝動買い。なかなか使い勝手は良かったのだが、同時並行的に使っていたThinkPadのJISキーボードと統一性を考え、秋にShinobiの日本語JISキーボードを追加衝動買いした。赤いTrackPointのポチや7段キーボード、改行キーの濃いブルーがIBMイメージを継承している素晴らしいスペースセーバー(テンキーなし)キーボードだった。
以降、筆者の原稿書き&お仕事メインパソコンは、レノボのThinkCentreデスクトップとShinobiキーボードのコンビーネーションになった。近い内にShinobiのバックアップ機を買おうと思っていた矢先に、TEXが新しいよりコンパクトなスペースセーバーキーボードのShura(修羅)というモデルを発表した。
基本的にTrackPointさえついていれば何でも衝動買いするミーハーな筆者は、早速PayPal決済でShuraを衝動買い。一時は現メイン機のShinobiとのリプレースを考えたが、最終的には当初のプラン通りShinobiのバックアップ機という自分用の言い訳で購入した。
決済は2022年11月16日。TEXもウェブ上の質問には「年明けたら送るよ!」と軽いノリだったが、出荷されない。止むなく出荷時期を何度か問い合わせしてみたところ、相変わらず「来月には送るよ」の軽いノリ。結局のところ何度か遅延して最終的に筆者の手元に届いたのは、2023年6月1日だった。なんと注文から半年と半月後だった。
届いたShuraのパッケージは、Shinobiに比べるとはるかに大人なおとなしい感じに成長していた。なぜかパッケージを開けるとTrackPointの支柱の青色が目立つ。同梱品はShura本体以外ではUSB Type-Cケーブル、キーキャップの引き抜き機、濃青の改行キー、赤と黄のTrackPointキャップ、なぜかキースイッチの消音リング(赤)が3個、TrackPointキャップの付いた置き換えキーキャップそして取説だ。Shura本体を取り出した後に見える意味不明の「迷えば、破れる」の言葉がイケてる。
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