夏、古くてそれなりに広いのだけど、住宅街にあったり奥まった場所にあったりして、なおかつパワースポットとして有名だったり縁結びの御利益で有名だったりしない神社は幸いである。鎮守の森、というほどの森ではなくても、木々が多いので日陰も多く、風も吹き抜けるので涼しさを感じ、手水舎(コロナ禍以降、水をあまり出してないとこもあるけど)があれば、その水で手ぬぐいを冷やしたり、頭からかぶったりして体を冷やせるからだ。
私は、自転車で走り回ることが多いので、特に助かる。頭から水をかぶって走ると、気化熱で肌は冷えるし、すぐ乾く。鎮守の森がありがたいのは、猫にとっても同じ……だと思う。
で、この夏に撮った一番夏らしい神社猫写真が、冒頭の1枚。日陰にいるんだけど、飛び乗った途端、暑いーって顔をしてこのポーズである。両前足をだらんと垂らして、体をぺたんとくっつけて、ふはーって顔をしてる。鎮守の森があって風通しがよくても、この普通じゃない暑さはたまらんよね。正面から見るとこうだ。
この連載で何度か登場してる長毛種のタビさん。人にあまり慣れておらず、ある程度までは近寄らせてくれるけど、ある距離を超えるとたたっと後ずさる……そんな猫でも暑いときは動きたくないのだ。
同じ神社でもう1枚。こちらは社殿裏手の日陰でひっそりとつぶれてたミケさんだ。いやあ、暑いよねえ。顔に「暑くて動きたくないから近寄るな」と書いてある。
周辺には農地もまだ残る場所なので、普段はどこか過ごしやすい場所で猛暑を耐えているのだろう。
続いて、別の神社でも猫。
とある猛暑の日、少しでも朝早く、気温がピークに達する前に出かけようと思いつつ、9時を回ってしまってすでに灼熱状態だったのだが、そんな朝の、とある稲荷の狭くて何度もカーブする参道の途中、きれいなチャシロハチワレがちょこんと座っていたのである。
後ろ姿だったけど、背景の鳥居にいい感じに日差しが当たっていたので、ここは這いつくばって1枚。参道はぽかぽかに暖まっていて、肘がちょいと熱かったけど。
時刻は午前9時半頃。ちょうど猫ボランティアの方が来ている時間だったようで、挨拶をする。挨拶は大事。猫を撮るのを嫌がる人もいるし(SNSに上げる際、場所を書いちゃう人もいるから)、世話してる猫の話をしてくれる人もいるし。
なじみの人が一緒だからか、私が近寄っても「なんか来たぞ」レベルで逃げたりしないのがうれしい。なので、顔のアップ。
非常に健康そうで、このあたり、古くから寺社が集まってるエリアであり、猫的にも過ごしやすいのだろうなと思う。めちゃいい顔してますな。
もう1匹いた。こちらは、白ベースにチャトラと黒が混じってるミックス猫。
猫ボランティアの方に、このあたりでもっと猫に出会ったことがあるのだけど、今は2匹だけですかと尋ねると、いやもっといますよ。ただ、昼間はお寺の立入禁止の奥に隠れてることが多いみたい、という。それはさすがに無理だねってことであきらめる。お寺の裏なんて木々も多く風通しもよくて、猫がのんびりできる場所に事欠かないだろう。
這いつくばって猫を撮ってたら、こちらがオーバーヒートしそうになるので帰ろうとしたら、ちょこんと手水鉢の上に飛び乗って見送ってくれた。
さすがに2回連続で真夏猫特集すると暑くて大変なので、次回は、冷房が効いた部屋の猫特集でも考えます。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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