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ソニーのワイヤレススピーカー「HT-AX7」〜音質チェックと使いこなし編

2023年08月05日 12時00分更新

今回はソニーの“ポータブルシアターシステム”「HT-AX7」を試聴したインプレッションを報告します

 今週の新選オーディオプロダクトは、前回に引き続きソニーが7月に発売した“ポータブルシアターシステム”の「HT-AX7」を取り上げます。リスニングのインプレッションや使いこなし方の提案をしたいと思います。

自然でつながりの良い立体サウンド

 筆者はHT-AX7をソニーの視聴室で体験しました。一般家庭のリアルなリビングルームを想定して、室内に家具を置いたデモンストレーションルームです。ソファに座りながら、ローテーブルにHT-AX7のセンタースピーカーを置き、ソファの背もたれ、左右肩ぐらいの高さにリアスピーカーを置いています。

HT-AX7の心地よく広がる360度サウンドをソニーの視聴室で体験しました

 最初に360SSM機能をオンにして、Amazonプライム・ビデオの映画を視聴しました。1台で立体サウンドを再現するスピーカーよりも、リア側に実体のあるスピーカーを2台配置するぶん、とても自然な音の広がりと豊かな没入感が得られます。前後スピーカーどうしの音のつながりもスムーズなので、効果音の移動や高さ方向への広がりも生々しく感じました。低音再生もパワーがあります。

 HT-AX7は本体の電源を入れて、スマホやタブレットをBluetoothでつなぐだけのシンプルなワイヤレススピーカーです。手軽に設定や操作ができることは魅力的ですが、ユーザーのリスニング環境にサウンドを自動調整する機能がありません。箱から出して、何となく設置したまま聴くよりも、アプリを使って自身で音のバランスをある程度調整した方が心地よいサウンドが楽しめます。

HT-AX7の電源を入れてAndroidスマホを近づけると自動でデバイスが認識されてペアリング設定のシークエンスが開始されます

専用アプリの機能で音をさらに聴きやすくする

 アプリから設定できる項目はリアスピーカーの音量レベルや、低音のレベルなどがあります。筆者が視聴した2つのアドベンチャー系の映画は、ひとつの作品の方がセリフの定位がやや不明瞭に感じられたので、アプリから調整してみました。本機にはセリフを明瞭に聞こえやすくする「ボイスモード」があります。低音レベルを少し減らすと意中のバランスに整い、クリアな声も聴きやすくなりました。

Android版のソニー「Home Entertainment Connect」アプリ。ナイトモードやボイスモードを調整すると環境に合わせたサウンドに追い込めます

 360SSM機能のオン・オフはモバイルアプリ、または本体の「サウンドフィールド」ボタンを押して選択します。機能オフにして、2つのリアスピーカーをフロントスピーカーから外すと、フロントがステレオスピーカー、リアは1台ずつモノラルスピーカーとして機能します。約24畳の部屋をリッチな音で満たせるパワーがあるので、例えば音楽配信サービスのコンテンツをダイニングルームと、少し離れたキッチンで同時に鳴らすという使い方ができます。

本体のサウンドフィールドボタンを押す操作からでも効果のオン・オフが選べます

 フロントスピーカーに2つのリアスピーカーをドッキングして、一体のワイヤレススピーカーの状態で音楽コンテンツのステレオ再生を楽しむことももちろん可能です。BluetoothのオーディオコーデックはAACとSBCにのみ対応しています。なので、音の傾向はどちらかと言えばタイトにまとまっていて、元気で力強い印象を筆者は受けました。大編成のオーケストラの演奏を聴きながら、豊かな音場の広がり感を求めるならばサウンドフィールドをオンにして聴くとよいと思います。

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