インテル株式会社は8月1日、同社のブランド戦略および今後のマーケティング活動における記者説明会を実施した。
本説明会では、インテル株式会社 代表取締役社長の鈴木国正氏と、マーケティング本部長の上野晶子氏が登壇。現状の同社の取り組みや、2023年下半期のブランド戦略などについて語った。
鈴木氏は、インテルの“文化醸成”というテーマで、同社がフォーカスしている分野について解説。地政学的リスクを踏まえたサプライチェーン、半導体分野の進歩に関わるムーアの法則の継続、昨今急速に広まっているAIの民主化といった3つを挙げている。
鈴木氏は、こうした分野に注力するのはこれまでのインテルの文化と異なると語り、「インテルは文化的に変わっていく」と主張した。同氏によれば、今後インテルにおいては「Value Based Selling」、すなわち顧客視点で考え、中長期的なビジネスを創出するアプローチを文化として醸成していくとのことだ。
これまでのインテルは、プロダクトベースのマーケティングで自社の半導体をアピールすることに注力してきたが、今後は顧客のソリューションに寄り添って動くことをグローバルとして進めていくという。
これを踏まえ、インテルは今後マーケティングのスローガンとして「it starts with intel(始まりはインテルと)」を掲げる。このスローガンをもとにどのような取り組みを行っていくのか、上野氏が解説した。
同社では近年、「Do Something Wonderful(さあ、素敵なことを始めよう)」をスローガンとしてきた。その理念自体は変わっていないが、新たなスローガンはよりコミュニケーションを強化するということを強調する意味合いがあるようだ。
半導体を作るだけでなく、その後に売る人や使う人といった大きなエコシステムを見据えてマーケティングの戦略を作ることを重要視しているとのこと。
その1つとして、企業のIT部門が抱えている管理やサーバーの構築・運用管理を簡素化することを目指し、インテル vPro プラットフォームなどの導入を促す施策を行っている。
また、サーバーのマーケティングについても、より多角的な視点からの解説記事や最新のサーバーソリューションに触れられる機会を作ることで、認知度を高める取り組みを行なっている。
加えて教育分野でも、地方自治体や教育委員会などと連携してデジタル人材の育成に取り組んでいる。パートナー企業や政府、地方自治体と連携し、各企業のニーズに合った教育プログラムをマッチメイキングすることを目指すという。
その他、一般消費者向けの取り組みとしては、PCの選び方をサポートするための施策を実施。ユーザーがPCを使って何をしようとしているのか、それを叶えるためにどんなPCが必要なのをわかりやすくするマーケティングを行うとしている。「インテル Evoプラットフォーム」のようなブランディング戦略もそうした施策の1つだ。
また、カスタムPCの楽しさを広める戦略もある。同社では、カスタムPCの“マイスター制度”を取り入れていく予定だという。マイスターの研修を受けたショップ店員などはバッジを付けることができ、こうした店員に聞くことで、PC初心者がカスタムPCに興味を持った際にしっかりと受け答えができるというわけだ。
マイスター制度は、夏以降に初級・中級から実施していく予定だという。初級は小学生くらいから学べるような内容を想定しているとのこと。
さらに、6月に発表したように、CPU名のブランディングが今後変更される。今回聞いた限りでは“最新世代のベストなパフォーマンスを発揮するCPU”には「Core Ultra」の名が冠せられ、それぞれ5/7/9でクラス分けされる。それ以外のCPUには「Core」に振り分けられ、3/5/7でクラス分けされる。
また、“第〇〇世代”といった区分と、数字の前についていた"i"の表記が撤廃される。つまりは「性能の高いCPUが欲しければUltra、普通で良いならCore」というように大まかに二分されるようになる。これらの表記はMeteor Lake世代のCPUから実施される。
ただ、世代の表記が消えることで、搭載されているCPUがどの世代なのかをどのように見分けるのかは今のところ明言されていない。
最後に、インテルが重視している2つのPCの用途「ゲーム」「クリエイター」に関する取り組みが紹介された。ゲームにおいては、昨年同様、今年の「東京ゲームショウ2023」への出展を控えているとのこと。
クリエイターに関しては、同社が推進しているクリエイター支援プロジェクト「Blue Carpet Project」の活動も紹介された
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