山根博士のグロスマレビュー
女性ターゲットのスタイリッシュな折りたたみスマホ「vivo X Flip」
2023年は折りたたみスマートフォンの新製品の数が急激に増えている。vivoが2023年4月に中国で発売した「vivo X Flip」は同社初となる縦折り式のスマートフォンだ。先行するサムスン、ファーウェイ、OPPOに対し、vivoはデザインと大型アウトディスプレーで差別化を図ろうとしている。
高デザインの折りたたみスマホ
vivo X Flipは折りたたむとほぼ正方形になる縦折り式のスマートフォンである。本体カラーはRhombic Purple、Silk Gold、Diamond Blackの3色で、今回レビューするのはDiamond Blackモデル。光沢のある黒光りするボディーは高級感を十二分に味わせてくれる。
外観上の大きな特徴は大型の外ディスプレーと円形の台座に搭載されたデュアルカメラだ。メインカメラは5000万画素、1200万画素の超広角カメラも搭載する。カメラはvivoの上位モデル同様に、ツァイスと協業している。たたんだときの本体サイズは86.4×75.25×7.75mm、重量は198gだ。
本体を開くと6.74型(2520×1080ドット)、120Hzでアスペクト比21:9のディスプレーが現れる。パンチホール式のフロントカメラは3200万画素を搭載する。ヒンジ部分は曲がったときの伸びの部分を、ヒンジ内側に納めるティアドロップ構造だ。目立った筋のようなものは見えないが、斜め方向から見るとヒンジ部分にややたるみのようなものが見える。とはいえ普段使う分にはまったく気になることはない。
開いたときの本体サイズは166.42×75.25×7.75mm。開いた状態ではヒンジ部分がぐらつくこともなく、このままストレート形状のスマートフォンとして使うこともできるだろう。
なお、今回レビューした以外の2つのカラバリモデルは、それぞれ特徴的な外観を持っている。Rhombic Purpleはビーガンレザーを採用し、クロス状の処理で高級ブランド品のようなデザインとなっている。一方、Silk Goldは大理石や貝殻を磨き上げたような模様で上品なイメージ。この2色は特に女性をターゲットにしていることは間違いなさそうだ。
折りたたみスマートフォンはヒンジを途中まで曲げて使う「Flex Mode」と呼ばれる機構を持った製品が多いが、vivo X Flipも自由な位置でヒンジを止めておくことができる。内側での角度は80度くらいで、あまり前側にたたむことはできない。その反面、外側には広く開き、130度くらいまでの角度で止めることができる。実際に使うことを考えるとこの角度はよく考えられており、特にビデオ通話をするときはこれくらいの角度があったほうが使いやすい。
外ディスプレーはカメラやアプリを使用可能
vivo X Flipの最大の特徴は閉じたときでも使える外側の大きなディスプレーを搭載していることだ。モトローラの「razr 40 Ulra」ほどではないものの、横向きの3型サイズは縦折り式スマートフォンとしては大きい方だろう。Allways On Displayにより時計などを常時点灯させておくことができる。
外ディスプレーは複数の時計や動物のキャラクターを表示させるなど、待受画面だけでも楽しさを感じさせてくれる。また、実用性を備えたショートカットを配置したウィジェット風の表示にもできるなど、本体を閉じたままでもかなりの操作ができそうだ。
アプリケーションはvivo X Flip内蔵のものをそのまま利用できる。サイズが小さいためすべてのアプリが快適に使えるわけではないだろうが、SNSの通知を見たり天気予報を確認する、といった用途なら十分使えるだろう。
最も有用なのがカメラアプリで、本体を閉じたまま5000万画素カメラで自撮りもできる。ポートレートモードにすればボケや美顔効果もかけられるので、コンパクトな手のひらサイズのセルフィーカメラとして使うこともできるわけだ。
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