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「取り回し」と「快適性」に全振り

数か月使って感じたゲーミングヘッドセット「Cloud III」の素晴らしさ

2023年09月20日 19時00分更新

「Cloud III Gaming Headset」

 2023年5月に発売された有線ゲーミングヘッドセット「Cloud III Gaming Headset」(Cloud III BK 727A8AA、Cloud III BK/RD 727A9AA)は、高い支持を得た前作「Cloud II」の正統進化版であり、装着感や耐久性、マイク音質といったあらゆる面で進化を遂げた。

 初めは記事を書くために触っていたのだが、気付いたら数ヶ月試用し続けていた。結論から述べると、筆者にとってもっとも優れていたのは「心地よい装着感」と「取り回しのよさ」だった。とくに複数のゲーム機を頻繁にとっかえひっかえプレイするゲーマーにオススメしたい。

前作から大幅に進化

 前述のとおり、Cloud III Gaming Headsetは2015年にゲーミングギアブランド「HyperX」から発売された「Cloud II Gaming Headset」の後継機だ。前作は快適性、耐久性、いい音質が評価され、8年にわたって愛されてきた名機であるが、Cloud IIIではパッド部分、ヘッドバンド、耐久性、ドライバー、空間オーディオ対応、マイクの音質向上、そして幅広いデバイスへの対応など、多くの点で進化している。

 価格は1万2980円で、ミドルハイといったところだ。有線であることを考えるとやや高めに感じるかもしれないが、取り回しの良さや音質のよさ、ゲームからビデオ会議までさまざまなシーンで使えることを考えると、納得感がある。

 では、まずはCloud III Gaming Headsetの、個人的にオススメしたいポイントを紹介していこう。

個人的オススメポイント1:快適な装着感

圧倒的に快適な装着感が魅力

 まず装着してみて思うのが圧倒的に快適な装着感だ。スチール製のヘッドバンドと耳にあたるパッド部分はとても柔らかく軽やかな着け心地で、締め付けがきついことはない。頭のサイズにも寄るかもしれないが、長時間付けていてもまったく苦にならない。重量は‎308グラムで、まさにCloud(雲)である。

個人的オススメポイント2:取り外しできるマイクは「もしも」の場合に便利

 マイクの音質については、通話相手にしっかりとクリアな声を届けることができるクオリティーに仕上がっている。取り外しができるのもポイントで、ヘッドホンとしてだけ使いたいというユーザーも、口元がすっきりした状態で使用できるのもうれしい。

個人的オススメポイント3:シンプルに音質が良い。空間オーディオにも対応

 オーディオテクニカやShureなどの音楽向けにデザインされたイヤフォンや、SteelSeriesの3万円を超えるハイエンドヘッドセット「Arctis Nova Pro」などを除いて、ゲーミングヘッドセットでは音質が重視されないことも少なくない。

 しかしCloud IIIは、前述のほかのイヤフォン・ヘッドセットと比べて取り立てて「音質がすごいいい!」とまではいかないが、フラットな聞き心地で「音が悪い」と感じることはまったくない。作業中に聴く音楽やゲームをしっかりと楽しむことができた。

「HyperX NGENUITY」

 また、制御ソフト「HyperX NGENUITY」では、イコライザーで音をカスタマイズすることも可能。Windows側で設定すれば空間オーディオにも対応しているので、対応コンテンツを頻繁に楽しむユーザーにはうれしいかもしれない。

個人的オススメポイント4:ケーブルに自主性がある

 ケーブルはやや太めの布製で絡まることはまずない。クセもつきにくいため、有線ならではの煩わしさはあまり感じなかった。ただし、本体から取り外すことはできないので長く使いたいなら取り扱いに注意しよう。

個人的オススメポイント5:有線ならではの圧倒的な取り回しのよさ

3.5mm端子、USB Type-C、USB Type-A、3つの端子に対応

 筆者が本稿でもっとも強調したいのが、この“取り回しの良さ”だ。Cloud IIIは3.5mm端子、USB Type-C、USB Type-A、3つの端子に対応している。これは冒頭でも述べたように、多くのゲーム機を使うユーザーにはとてもうれしい。

 仕事している間はType-Aでパソコンに、PS5やXbox seriesで遊びたければ3.5mm端子でコントローラーに、スマホやNintendo Switchで遊ぶ場合にはType-Cと、筆者が普段遊んでいるゲーム機の音を、すぐさま切り替えて遊ぶことができるのだ。

 これが有線のいいところで、無線だとマルチポイントに対応している機器は高価であり、対応する機器の数も制限されている。それを気にせず物理的に挿しかえて切り替えるのは、前時代的にも感じるが、最も快適に取り回せる方法の1つだ。

 筆者の用途では、Cloud IIIは非の打ち所がない。装着感のよさ、そこそこいい音質、複数ハードで遊ぶゲーマーにとってうれしい複数の対応端子、この3つがとてもありがたい。

 では、ここからは個人的に気になった点について“個人的イマイチポイント”として紹介していこう。ただし、あくまで個人的に気になった点なので、別に問題ないという人にとって、Cloud IIIは最適なヘッドセットであるという点は間違いないということを前提としておきたい。

個人的イマイチポイント1:夏場はやはり暑苦しい

 筆者が実際に試用した期間は、6月~7月だった。夏の始まりであるこの時期は耳を覆う形のヘッドセットは蒸れるため、やはり途方もない時間遊んでいると暑苦しさを感じ、クーラーを付けていても数時間に一回は取りたくなる。ただ、これはヘッドセット全般にいえることでもあるので、これが嫌だという人はゲーミングイヤフォンの使用オススメしたい。

個人的イマイチポイント2:据え置きマイクと比べるとマイクの音質はもう1つ!

 マイクの音質については、前述のとおり通話相手にしっかりとクリアな声を届けることができるクオリティーに仕上がっているものの、外付けのコンデンサーマイクにはもう1つ及ばないといった感じだ。そのため、普段コンデンサーマイクを使っている人であれば、普段と環境が違う場所、例えばノートパソコンや新しいパソコンなどで、一時的に使うマイクとして“予備”的な感覚であって損はない。

取り回しや付け心地にこだわりたいゲーマーは必見のヘッドセット

 音質と複数の対応端子が揃っているヘッドホンは市場に多くあるが、やはりCloud IIIは最初に述べた装着感の良さで差別化が図られている。ヘッドフォンのなかでも、軽い付け心地で快適に過ごすことができる機種はそうないのではないだろうか。実際に店頭などで試してみてほしい。

 そしてなによりも有線ならではの取り回しのよさは最高だ。複数のPC・PS5・Nintendo Switch・Xbox series X・スマートフォンと、7つ以上のデバイスをコンスタントに試用している筆者にとってとてもありがたい存在だ。

 着け心地にこだわりたいユーザーや、多くのゲーム機で遊ぶというユーザーにとって、ヘッドセットの有力候補になることは間違いない。

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