コロナ禍も一段落で海外旅行を予定している人もいるだろうが、そのときに気になるのが旅先でスマートフォンが使えるかどうか。そこで海外ローミングもすぐ使えそうな格安SIMを選んだ。
MVNOの格安SIMは事実上海外では使えないものが大半
まず、最初に知っておきたい事実として、MVNOの格安SIMの場合、海外ローミングは一応対応していても、音声通話とSMSのみというものが大半だ。たとえば大手のサービスであれば、IIJmio、OCN モバイル ONE、mineo、日本通信などがそれにあたる。一部サービスでは音声のローミングに対応していないものもある。
音声だけローミングできても、今のスマートフォンの使い方では、実質使えないのと大差ないだろう。もちろん非常時の連絡に音声通話だけ使えれば十分という考え方もあり、データ通信はレンタルの海外用モバイルルーターを併用する手もあるが、それは少々面倒だ。
となれば、海外ローミングに対応する事業者に乗り換えるか、サブ回線として別途用意するのがいいかもしれない。
3大キャリアなら使える国や地域も多い
料金のことを考えなれば、海外ローミングが強力なのはドコモ/au/ソフトバンクの主要3社の通常プラン。たとえば、ソフトバンクは「アメリカ放題」として、アメリカ本土やハワイからの日本やアメリカ国内への通話、データ通信、SMSが無料。それ以外のキャリアやエリアでは、24時間あたり980円といったオプション料金で海外で利用できることが多い。
ただし、主要3社の場合、そのオプション料金はあくまで海外利用に対応するためのものであり、海外で使うデータ通信も本来のプランの通信量から消費される。ドコモ「世界ギガし放題」のように通常の通信量とは別に使い放題になるプランも別途用意されているが、こちらは1日2980円とかなり高価なので注意が必要だ。
また、渡航先によっては主要3社でないと使えないケースもある。アメリカや韓国、ヨーロッパ主要国ならほぼ対応しているが、もう少しマイナーな国となると、あらかじめ各社のサイトで調べておきたい。
主要3社のサブブランドやオンライン専用プランについてだが、まずUQ mobile(とすでに新規終了のpovo1.0)はauに準じた内容。Y!mobileとLINEMOも前述の「アメリカ放題」以外はソフトバンクと同じ。後述するが、irumoもドコモと同じだ。
とはいえ、現時点で主要3社のユーザーでない人が旅行のためだけに、これらのキャリアに変更するのもわずらわしいはずだ。
追加費用なしで海外利用ができるahamoは最初に検討したい
そこで検討したいのが、海外旅行に合わせて、一時的に追加で加入したり、これを機会に乗り換えてしまうといった手だ。
たとえば、ドコモ「ahamo」だ。ドコモのオンライン専用プランなので格安SIMというカテゴリーに入るか微妙ではあるが、料金的には20GBで2970円と十分格安な部類。
そしてなにより注目したいのが、海外では追加料金なしで月20GBの通信量をそのまま利用できる。20GBを超えてしまった場合も追加チャージは可能だ(1GBあたり月550円)。ただし、利用できるのはドコモの海外ローミングに対応した国全部ではなく、82の国と地域に限られる。また、利用できる期間は連続最大約15日間。それを過ぎてしまえば速度が最大128kbpsに制限される。
また、ahamoの特徴でもある「大盛りオプション」(1980円の追加支払いでプラス80GBが使える)を申し込んでも、海外ローミングでの通信量は20GB制限で変わらない。それでも1週間程度の旅行なら十分使える容量だろう(なお、20GB超過後に通信速度が最大1Mbpsとなるのは海外でも同じ)。
なので、ahamoは旅行のためだけに新規契約で申し込むのもいいだろう。その場合、eSIMでの契約なら最短で1時間程度で開通できる。旅行の朝に思いついても空港に着くまでに開通していることも不可能ではない(あらかじめ申し込んでおいた方が確実だが)。なお、物理SIMの場合は配送に時間がかかるので、余裕を見て1週間前には申し込みしておきたい。
楽天モバイルは電話も追加なしで利用可能
楽天モバイルの国際ローミングも追加料金なしで利用できる。ただし、こちらは月2GBまでという制限がある。現地ではフリーWi-Fiなどを活用することで2GBに抑えられるというなら、月1081円~の楽天モバイルという選択も悪くない。ただし、海外ローミングで利用できるのは70の国と地域ということで、3大キャリアほど多くないのでメジャーな国以外に行く場合は事前の確認は必須だ。
楽天モバイルのメリットといえば、Rakuten Linkを使うことで、日本の電話番号への発信が無料となること。アプリ通話のIP電話に近い仕組みをとっているため、データ通信さえつながっていればいいのだ。なお、着信についてはAndroidの場合はRakuten Linkの利用で無料だが、iOSの場合は標準アプリを利用するので従量制のローミング費用が必要になる。
また、始まったばかりのデータ通信専用の「データタイプ」でも海外ローミングは可能。楽天カード所有という条件はあるものの、初月は最低料金分をポイントでバックしてくれるのと、データタイプなら最短3分で開通するので、旅行直前に申し込んでも使い始められる。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります