SORACOM Discovery 2023の2日目に開催された「実録!ラーメン店の現場DX、30日の挑戦」は、メディア連動型飲食店「ラーメンWalkerキッチン」を運営する角川アスキー総合研究所とIoTプラットフォームを手がけるソラコムが飲食店DXを試すというプロジェクトを振り返る。30日間という短い期間で、どこまで実現したのか? 現場とIT側のギャップはどう埋めたのか? 現場感満載のセッションの模様をレポートする。
ラーメン屋の課題を解決すべくラーメンWalkerキッチン×IoTで挑む
情熱とユーモアにあふれたオープニングムービーの後は、まず登壇した4人の自己紹介。角川アスキー総合研究所 取締役 吉川 栄治さんは、建築系大学院の修了後にシステム開発に従事し、ビッグデータの解析基盤の構築や設計に携わる。2000年からはメディア連動型飲食店であるラーメンWalkerキッチンの企画・運用に携わっており、飲食業界の課題解決にも積極的に携わっている。大谷が「ビッグデータとラーメン屋の落差がすごい(笑)」とチャチャを入れると、「弊社(角川アスキー総合研究所)って、そういう会社らしいですよ」と吉川も返す。
ラーメンWalkerキッチンのIoT化に尽力してくれたソラコム アライアンスマネージャー 高見 悠介さんはソラカメ(SORACOM Cloud Camera Services)の事業責任者を務めている。「15年近くSIerで働いていましたが、最後に赴任したインドネシアはムスリムの国で、とんこつラーメンが食べられなかったので、辞めてソラコムにジョインしました」とホントかウソかわからない自己紹介。とんこつ好きということで、やはり家系ラーメンを愛しているという。
もう一人は「三度の飯よりラーメンが好きなソリューションアーキテクト」である井出 尭夫さんだ。国内機械メーカーでロケットの設計開発に携わり、社内のIoTプラットフォームを開発したのち、ソラコムにジョインして、パートナーへの技術支援を行なっている。「以前働いていた会社が横浜にあったので、新杉田にある杉田屋が好き」とのことで、こちらも家系ファンだ。
さて、次に吉川さんが今回実験場となったラーメンWalkerキッチンの紹介。ラーメンWalkerは雑誌としてすでに15年にわたって全国のラーメン店を紹介し、フジテレビCSラーメンWalker TV2もすでに350話を超えている。諸説あるものの、全国にはラーメン屋が3万軒あり、「3年続けば名店」と言われるくらい激しい入れ替わりが起こっているため、メディアとしてつねに新しい店舗を紹介できるわけだ。
そんなラーメンメディアとしてのコネを活かしたメディア連動型店舗がラーメンWalkerキッチン。東所沢のサクラタウンに店を構え、3年間での累積出店店舗は19都道府県150店を超え、総来客数は16万7000人を超える。日本を代表する有名店主をスーパーバイザーとして招き、まさにここでしか食べられないようなプレミアムな一杯を食べられるのが、ラーメンWalkerキッチンだ。
出店する店主にとってみれば、スチームコンベクションオーブンや真空包装機など最新調理機器も揃えた魅力的な厨房でチャレンジングなラーメンを作れ、広さを活かした研修なども可能。客席バリエーションも豊富で、撮影スペースやサイネージやプロジェクターまで完備している。もちろん、メディアならではの店舗との連動企画も充実。「東所沢から歩いてたった10分。ぜひみなさん来ていただきたい」と吉川さんは紹介する。
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